茶畑が広がる狭山丘陵の麓に、今年1月開業した狭山茶農家直営の「十立葉（とおりつよう）」。一杯ずつ丁寧に狭山茶を入れる、ぜいたくな時間を過ごせる日本茶カフェだ。カフェに隣接する茶畑で採れた濃厚な味わいの一番茶と、店長田中洋子さん（71）の自家製あんこを中心とした手作りのスイーツが楽しめる。

　人気メニュー「狭山茶ロールケーキ」（税込み495円）は、狭山抹茶を練り込んだクリームとあずきを、しっとりとした生地で包む。上品な甘さと濃厚な茶の風味が絶妙なバランスで引き立て合う逸品だ。昔ながらの味で飽きのこない粒あんは、常連客からの評判も高い。寒い季節にぴったりの「自家製あんこの白玉ぜんざい」（税込み495円）は、柔らかい白玉と温かいあんこが体に染み入る。

　「気楽に、気取らないで来てもらえれば」と田中さん。狭山茶は「やぶきた」と「さやまかおり」の2種類を用意。茶わんにお湯を注ぎ、急須に移して1分待つ、一杯の日本茶と向き合うひとときも、ここでの楽しみの一つだ。屋内席のほか、サルスベリやツツジなど、季節の草木が彩る中庭を眺めるテラス席も人気。大きな白いのれんと、10枚の茶葉をデザインしたロゴが目印だ。

【メモ】十立葉　入間市宮寺1792の2（電話090・3894・9871）。営業時間は午後1時～同5時。定休日は月、火曜日。