航空雑誌「航空ファン」創刊号など展示 新たに航空資料コーナーを開設 航空発祥の地、埼玉・所沢の図書館 航空史研究家の田中さんが収集した資料の寄贈受け
2025/11/26/11:51
所沢市並木の市立所沢図書館は8日から、館内に新たな航空資料コーナーを開設した。2021年に亡くなった航空史研究家の田中昭重(てるしげ)さんの遺族から書籍約3千冊、雑誌約5千冊、航空機模型約270機が寄贈され、展示内容を大幅に拡大した。戦前、戦中の貴重な資料もあり、現在も発行が続く航空雑誌の創刊号(1952年発行)なども展示されている。
航空資料コーナーは本館3階で、寄贈された航空関連の書籍や雑誌を閲覧できる。廊下には航空機模型が並び、1911年に製作された軍用飛行機初の国産機「会式一号機」や、38年に長距離飛行の世界記録を作った実験機「航研機」の写真パネルが設置された。
田中さんは27年生まれで、東京帝大航空研究所などで航空力学を研究。改装中の所沢航空発祥記念館に展示されていた会式一号機のレプリカの作図に携わるなど所沢市ともゆかりがあり、「所沢航空資料調査収集する会」で所沢飛行場の歴史を研究していた。遺された資料のうち、書籍や雑誌が2023年に同館へ寄贈され、データベースへの登録作業などを経て公開されることになった。同館は所沢航空記念公園の敷地内にあり、航空資料を求めて来館する人も多いという。同館の桑名慎一郎さんは「戦前や戦中の資料は当時の空気も分かる。所沢が航空発祥の地ということを広く知ってもらうきっかけになれば」と話した。










