２５日午後６時１分ごろ、熊本県産山村で震度５強の地震があった。気象庁によると、震源地は熊本県阿蘇地方で、震源の深さは９キロ。地震の規模はマグニチュード（Ｍ）５・８だった。同県阿蘇市と大分県竹田市でも震度５弱を観測した。その後も地震が続いた。津波の心配はない。阿蘇市によると、女性（７７）が市内の自宅で転倒し軽傷。産山村や地元消防によると、村内の県道で落石があり、通行中の車両２台に接触したが、けが人の情報はない。

　気象庁などによると、地震は２０１６年の熊本地震の活動域で発生した。気象庁の担当者は「熊本地震の余震かどうか判断するのは難しい」と説明している。熊本県内で震度５強以上を観測したのは１９年１月以来。熊本県は災害警戒本部を設置した。人的被害などの情報収集を続ける。

　気象庁は記者会見し、１週間ほどは同程度の揺れに注意するよう呼びかけた。過去の事例から、さらに強い揺れをもたらす地震が発生する可能性もあるとしている。阿蘇山など周辺の活火山に変化は確認されておらず、地震と火山活動に関連はないとしている。