女性2人死亡…殺人が疑われる男、窃盗容疑で逮捕3回目 無職22歳 逮捕1回目は暗証番号ある施設に入って殺害、2回目は暗証番号あるビル店舗に入って窃盗の疑い…3回目の容疑、詳しい内容は不明
鶴ケ島市若葉2丁目の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で10月15日未明、入所者の女性2人が殺害された殺人事件で、県警は21日、窃盗の疑いで、元施設職員の無職男(22)=熊谷市箱田4丁目=を再逮捕した。逮捕は3回目。捜査関係者への取材で分かった。県警は再逮捕の詳しい内容を明らかにしていない。
県警は事件当日の10月15日、死亡した女性1人への殺人容疑で男を逮捕。事件前に熊谷市内の飲食店で現金を盗んだとして、今月5日に建造物侵入と窃盗容疑で再逮捕した。これまでの取り調べで、ほかの窃盗事件への関与もほのめかしていた。
さいたま地検は21日、建造物侵入と窃盗容疑を処分保留とした。
■4桁の暗証番号で開錠、ビル飲食店に入って窃盗容疑(以下、2回目逮捕時の記事)
鶴ケ島市若葉2丁目の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で、入居者の女性2人が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元職員の無職の男(22)=熊谷市箱田4丁目=が、事件前に熊谷市内の飲食店で現金を盗んだとして、県警西入間署特別捜査班は5日、建造物侵入と窃盗の疑いで、男を再逮捕した。「生活費を得るため」と容疑を認めているという。他の窃盗事件への関与もほのめかしており、県警が捜査している。
再逮捕容疑は10月12日午前11時ごろから同月14日午後3時ごろまでの間、熊谷市内の飲食店に侵入し、レジ周辺の引き出しから現金2万円を窃取した疑い。
捜査1課によると、飲食店はビルの中に入っており、当時は営業時間外だった。男はビル1階の入り口シャッター付近で、キーボックスにつけられたダイヤルロック式の4桁の暗証番号を開錠。中の鍵を使ってシャッターを開けて侵入したとみられる。暗証番号を知っていた可能性も視野に捜査を進める。
殺人事件は、その後の10月15日未明に発生。施設の5階で就寝していた入所者の女性(89)と、4階の女性(89)が殺害された。死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息だった。県警は5階で就寝していた女性を殺害した容疑で男を逮捕した。男は2023年5月から昨年7月まで施設に勤務しており、2人とは面識があったとみられる。犯行の動機は判明しておらず、県警は事件の全容解明を進めている。
■4桁の暗証番号を入力、施設に入って殺人容疑(以下、1回目逮捕時の記事)
10月15日未明、鶴ケ島市若葉2丁目の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で入所者の女性2人が殺害された殺人事件で、殺人容疑で逮捕された元職員の無職男(22)=熊谷市箱田4丁目=が被害者女性について、県警の取調べに「2人に恨みはなかった」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。県警は引き続き犯行動機や当時の詳しい経緯を調べている。県警は16日、男を同容疑でさいたま地検に送検。施設で現場検証を行った。
県警によると、男は施設の正面玄関ではなく、1階の職員らが使用する出入り口から侵入。侵入方法については「4桁の暗証番号を入力して、出入り口の鍵を開けて施設に入った」と供述していることも新たに分かった。出入り口や施設内の複数箇所には暗証番号を入力する電子錠が整備されていたが、暗証番号はどこも同じで、施設側の話では男が退職した昨年7月から変更していなかったという。
事件は15日未明に発生。5階に入所していた女性(89)と、4階に入所していた女性(89)が個室のベッド上であおむけで倒れているのを職員が発見した。2人とも上半身に複数の刃物とみられる傷があり、救急搬送されたが、その後死亡が確認された。県警によると、5階の女性には首を絞められた跡もあり、司法解剖の結果、死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息だった。県警は同日、5階の女性を殺害した容疑で逮捕。容疑を認め、4階の女性の殺害についても認めているという。
男は犯行時、フードやマスク、手袋を着用していた。施設の防犯カメラにはナイフを持った男とみられる人物が写っていた。当時施設には職員1人が勤務しており、職員が手薄な夜間帯を狙って犯行に及んだとみられる。
男は犯行後に着替えており、捜査の手が及ばないようにしていた可能性がある。現場付近の路上には、血痕のようなものが付着したナイフや犯行時に着用していたとみられる衣服などが入ったバッグ、使用していたとみられる自転車が発見され、押収されている。捜査関係者によると、バッグの中には首を絞めることができる物も複数入っていた。男はナイフについて、事前に準備していた旨の供述をしており、計画性があったとみられる。










