埼玉新聞

 

触って実感、視覚障害のある生徒が電車体験学習 ホームの高さやつり革、ドアなどの大きさを確認 ホーム下にある避難場所に入る体験も 「貴重な体験に」

  • 待避口に入る生徒ら=13日午前、所沢市上山口

    待避口に入る生徒ら=13日午前、所沢市上山口

  • 待避口に入る生徒ら=13日午前、所沢市上山口

 視覚障害のある生徒が通う、川越市笠幡の県立特別支援学校塙保己一学園の生徒が13日、西武狭山線の西武球場前駅で体験学習を行った。中学部と高等部の生徒約40人が参加し、車両や設備を触って安全な利用や緊急時の対応について学んだ。

 体験学習は西武鉄道(所沢市)の協力で3年に1回行っており、今回で9回目の開催。生徒は駅の券売機での切符の購入や、自動改札口の使用を体験し、利用方法を学んだ。ホームには体験用の電車が止められ、つり革やドアを実際に触り、形や位置、大きさを確認した。

 生徒は電車の乗降方法について、「できるだけ車両に近づき、手で触ってドアの位置を確かめ、つえで足元の隙間を確認する」などと教員から指導を受け、実際に練習を繰り返した。緊急時の対応として、はしごを使って線路上に降り、ホームから約110センチの高さを体感。転落した場合に使用するホーム下の避難場所「待避口」に実際に入った。

 高等部3年の野沢亮介さんは、「ホームの下や電車の中、駅の設備をゆっくり触るということが貴重な体験になった。電車を使う時は気を付けて歩行したい」と振り返った。同校の島宗徹校長は、「視覚障害がある人にとっての移動手段として電車は欠かせず、使わなくてはいけないもの。聴く、触るということをしないと自分の中でのイメージがつかない。貴重な体験だった」と話した。

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