1日限定の間借りカフェ、あす25日オープン 埼玉県民の優しさに魅了され、越谷の行列店で夢の一歩 店主は出身地でのカフェ開業を夢みる22歳 前回は4時間で完売…大きな自信つかんだ焼き菓子も販売予定
22歳の青年が埼玉の地で、夢の一歩を踏み出す。越谷市花田にあるケーキと焼き菓子の店「haberu」で25日、間借りカフェ「if,」が1日限定でオープンする。学生時代からカフェ紹介の取材活動を行ってきた溝手悠太さん(22)の夢は、地元の岡山でカフェを開業すること。2回目となる今回の間借りカフェではマドレーヌやクッキーなどの焼き菓子を提供する。溝手さんは「行列店で営業するのはとってもハードルが高いが、毎日試作して精いっぱいのものを出したい」と意気込む。
溝手さんは岡山県出身。千葉県の神田外語大学への進学を機に上京し、2023年から動画投稿サイト「ユーチューブ」や写真共有アプリ「インスタグラム」といった媒体を利用して大学生が運営する全く新しい地域創生メディア「PSST!―素敵なお店の舞台裏―」というカフェ紹介の活動を行ってきた。
取材活動で店主たちに必ず問う言葉がある。「もし、地方でカフェを開くとしたらどんなお店を作りますか」。地元の岡山でこだわりのカフェを開くため、溝手さんが今までに取材したカフェは98店舗。「岡山のために生きる。地方の活性化を図れるお店を作りたい」。11月下旬には岡山に戻り、カフェ開店の準備を始める予定だ。
取材を通して得たのは実務的な知見だけではない。埼玉県の人々の優しさにも魅了された。「吉川や越谷のカフェは特に印象的。こんなに良い人たちがいるんだ。やっていて良かったと思えた」。活動がうまくいかず悩むこともあったが「諦めなければ何とかなる日が来る。続けていけば良い人と出会える」と、埼玉の人とのつながりが溝手さんを夢の達成へぐんと近づけた。
10月19日、溝手さんは取材で以前携わった吉川市内のカフェの厚意で初の間借りカフェを開催。大学時代の友人で自作ブランド「Blendee Koffee」を運営するバリスタの高橋那純さん(23)の提供するコーヒーと共に、フィナンシェなど焼き菓子70個を販売した。
最寄り駅から徒歩40分という立地にもかかわらず、焼き菓子はわずか4時間で完売。予想以上の大盛況に溝手さんは「友だち以外に食べてもらうのは初めて。不安で仕方なかったけれど、すごいうれしかった」と顔をほころばせ、カフェ開業へ大きな自信をつかんだ。
2回目の間借りカフェとなる25日の越谷では、マドレーヌやカヌレ、クッキーなどの焼き菓子を販売予定。「Blendee Koffee」の出店も予定している。営業時間は午前11時半~午後5時までで完売次第終了。問い合わせは、溝手さんの運営するインスタグラムのDMまで(@if.yakage)。










