埼玉新聞

 

児童生徒の自殺28件 2024年度の埼玉県公立学校 過去30年で最多

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    県庁=さいたま市浦和区高砂

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 県教育委員会は20日、2024年度の県公立学校における問題行動・不登校等調査の結果を公表した。10月に文部科学省が発表した全国調査結果から、県公立校の結果をまとめたもので、小中高における自殺が疑われる事案は28件、公立学校のいじめの認知件数は3万7823件と、過去最多を更新した。

 県教委生徒指導課によると調査は、小学校793校(34万8421人)▽中学校416校(17万3025人)▽高校163校(10万9219人)▽特別支援学校57校(8889人)―を対象に実施。

 小中高における自殺が疑われる事案は28件と、調査を始めた1995年以降、最多を更新した。結果を受けて、同課担当者は「複合的な理由から自殺が増加した要因の特定は難しいが、憂慮すべき事案だ」とし、メンタルヘルスリテラシー向上への取り組みの充実、自殺予防体制の体系化などに対応していくとした。

 一方で、同日、調査結果の報告が行われた教育委員会では、委員から「現場だけでは限度があると思う。何か大幅に対応を変える必要があるのでは」との指摘も挙がった。

 いじめ認知件数は、小学校3万718件(前年度3万162件)、中学校6895件(同5677件)、高校194件(同181件)、特別支援学校16件(同11件)と、県公立学校全体で過去最多を更新。12年連続での増加となった。

 そのほか、不登校の小学生は6342人(前年度比6・4%増)、中学生は1万696人(同1・3%減)、高校生は3289人(同0・4%減)と中学、高校で減少傾向となった。

 生徒指導課はいじめ対策として、児童生徒の悩みの早期発見につながる取り組み推進や、ガイドラインに基づいた組織的対応の周知徹底を図るとし、「初期段階から適切に対応し重大な事態に陥らないよう取り組みつつ、児童生徒と保護者らに寄り添った対応を働きかけていく」と話した。

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