埼玉新聞

 

世界最大規模の炭治郎で…「鬼滅の刃」効果、行田タワーの古代蓮会館に14万6千人 田んぼアート見頃の時期に過去最高の入館者数 背景を刈り立体感でた田んぼアート 30日まで延長、12月1日に刈り取り

  • 30日まで公開が延長されている田んぼアート

    30日まで公開が延長されている田んぼアート=21日、行田市小針の古代蓮の里東側水田

  • 30日まで公開が延長されている田んぼアート

 行田市で毎年行われている田んぼアートが見頃の時期に、作品を一望できる地上50メートルの展望室「行田タワー」を備えた古代蓮会館の入館者数が、過去最高の14万6472人に上った。今シーズンは、アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃(やいば)』無限城編」を題材に製作。日本では今年7月18日に公開された「第一章 猗窩座(あかざ)再来」は、全世界の興行収入が日本映画で初めて1千億円を突破し、現在も上映されている。

 行田市が21日の定例会見で発表した。同市小針の古代蓮の里東側にある水田で2008年から行われている田んぼアートは、世界最大規模の広さ約2・8ヘクタールを誇る。6月に植えた苗が成長して図柄が鮮やかに浮かび上がる7~10月の4カ月間に古代蓮会館を訪れた人は、昨年よりも8万6544人増加。これまでの最多は、作品にタワーが登場した映画「翔(と)んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」をテーマにデザインした23年の9万6654人だった。

 市によると、この期間の経済効果も好調に推移。過去最高額には届かなかったものの、古代蓮の里売店での売上額は前年比159%増の4351万円余りとなり、そのほかの市内観光施設の売上額も同125%アップの5751万円ほどに達したという。

 田んぼアートは10月18日に、ボランティアらが背景部分を刈り取り。全体に茶色っぽくなった主人公竃門炭治郎(かまど・たんじろう)は現在、立体感のある絵柄を楽しめる。例年は11月中旬ごろまでに全ての稲刈りを終えるが、田んぼアート目当ての来館者が絶えないため、30日まで延長。12月1日に刈り取ることになった。

 主催する「田んぼアート米づくり体験事業推進協議会」で事務局を務める市の担当者は、「最高傑作ができた」と完成度の高さを強調。「最後まで全力で駆け抜ける炭治郎に会いに来てほしい」と呼びかけている。

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