クビアカツヤカミキリによる食害を確認 天然記念物の「石戸蒲ザクラ」 埼玉・北本市が発表 薬剤で駆除、樹勢が衰えるなどの影響は確認されず
2025/11/22/07:39
北本市は20日、市内にある国指定天然記念物の石戸蒲ザクラで初めて、特定外来生物のクビアカツヤカミキリによる食害を確認したと発表した。市文化財保護課によると、薬剤で駆除を行い、樹勢が衰えるなどの影響は確認されていないという。
石戸蒲ザクラは、同市石戸宿の東光寺境内にある樹齢約800年とされる古木。福島県三春町の三春滝桜、岐阜県本巣市の根尾谷淡墨(うすずみ)ザクラなどとともに、「日本五大桜」に数えられている。
被害は今年8月18日に初めて確認。高さ4メートルほどの枝付近で、内部に侵入したクビアカツヤカミキリの幼虫が出すふんと木くずが混ざった「フラス」が見つかった。フラスは9月19、22、29日、10月6日にも発見。市は樹木医に相談して薬剤を使って駆除し、その後は食害を確認していないという。このほか、成虫を7月8、31日に見つけた。
市は各地で被害が報告されていることから、クビアカツヤカミキリの活動が活発になる5月ごろから10月ごろにかけて、市職員による石戸蒲ザクラの観察を2024年に開始。今年は食害のさらなる深刻化を受けて、巡回を昨年の週1~2回から毎日に増やし、警戒を強めていた。
市内公共施設のサクラを対象とした調査では、11月4日現在で1532本のうち33%の498本が被害を受けていたという。このうち18本が枯死した。市は「来年の活動期を見据えて、防除に一層努めたい」としている。










