埼玉新聞

 

川に入って撮影中“ガサガサ”という音を聞いた男性 「クマかも」と警戒すると→飛び出してきたのは乗用車 駆け寄ってドアをこじ開け男性を救助

  • 感謝状を受け取った小島満也さん(右)=17日午前、飯能市双柳

    感謝状を受け取った小島満也さん(右)=17日午前、飯能市双柳

  • 【地図】飯能市(背景薄緑)

    飯能市の位置

  • 感謝状を受け取った小島満也さん(右)=17日午前、飯能市双柳
  • 【地図】飯能市(背景薄緑)

 乗用車に乗ったまま入間川に落下した90代の男性を救助したとして、飯能署は17日、飯能、日高市エリアの地域紙「文化新聞」編集顧問、小島満也さん(68)=飯能市在住=に感謝状を贈った。

 同署によると、10月28日午後3時半ごろ、飯能市矢颪で、90代男性の運転する車が入間川沿いの車道を走行中、約10メートル下の川に落下した。水深約30センチの川の中で、車は前部などが破損して上下がひっくり返り、男性は顔に擦り傷などの軽傷を負った。

 小島さんは入間川に入って撮影をしていたという。ガサガサとやぶをかき分ける音がし「クマかもしれない」と警戒したところ、乗用車が放物線を描いて飛び出してきた。「最初は『何が起こったんだろう』と立ち尽くした」と、振り返る小島さん。車に駆け寄り窓をノックすると、運転席側から小さく男性の声が聞こえた。車体がゆがんで10センチほどしか開かないドアを何とか力づくでこじ開け、男性を救出。河川敷まで付き添い、110番した。

 同日夜には、男性の家族から無事を伝える電話があったという。小島さんは「無我夢中だった。無事を聞いて本当に安心した」と語った。小島さんは釣り雑誌に勤務後、1988年に文化新聞に入社。60歳まで編集局長を務め、現在も編集顧問として現場で取材を続けている。

 渡辺勝利署長は「勇気ある行動に感謝します」とたたえた。

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