埼玉新聞

 

小谷野県議を除名処分 自民埼玉県連の党紀委員会 経費の私的流用で 「前代未聞の事例」

  • 小谷野五雄氏の除名処分を発表した自民県連党紀委員長の鈴木正人県議=14日午後、さいたま市内

    小谷野五雄氏の除名処分を発表した自民県連党紀委員長の鈴木正人県議=14日午後、さいたま市内

  • 小谷野五雄氏

    小谷野五雄氏

  • 小谷野五雄氏の除名処分を発表した自民県連党紀委員長の鈴木正人県議=14日午後、さいたま市内
  • 小谷野五雄氏

 自民党県支部連合会(柴山昌彦会長)は14日、党紀委員会を開き、県連経費の私的流用が認められた小谷野五雄県議(69)=西8区、日高市=について、8段階の処分で最も重い「除名」を全会一致で決めた。党紀委員長の鈴木正人県議は「今回の事例は前代未聞。弁明書の内容を踏まえても、調査報告書の結論に影響はないと判断した」と述べた。10日以内に異議申し立てが行われなかった場合、処分が確定する。

 県連によると、小谷野氏は11日に弁明書を提出し、「問題とされた支出の多くは、いずれも政治活動として正当な目的に基づくもの。一部に日用品が混入したが、故意の私的流用は一切ない」と主張していた。調査委員長の中屋敷慎一県議は「一部ではなく、私的流用と言わざるを得ないものが相当数あった」と小谷野氏の事実誤認を指摘した。

 弁明書の中で、小谷野氏が弁済の意思を示したとみられる部分を黒塗りの状態で公表したことについて、鈴木県議は「示談的な内容はきょう公表する弁明書としては適さない。審査と関係がなく、非公開とさせていただいた」と理由を説明。中屋敷県議は「本人が考えを記している部分はあったが、党紀委員会で協議する内容ではない。(返還請求などが)どうなっていくかは、これからの話」と補足した。

 党紀委の冒頭、12日の参議院予算委員会で小谷野氏の問題が追及されたことに言及した鈴木県議は「自民党に対する不審の目、政治とカネの部分には厳しい目を向けられている。県連としてしっかり当たっていこうという意思を表すために取り上げた」と、処分内容には影響がなかったとの認識を示した。

 小谷野氏は現在、県議8期目。2019年から県連幹事長を務め、8月30日の役員会で役職の一時停止措置を受けた。小谷野氏が2020~25年に精算した計1357件、総額2794万8493円について、県連は10月27日に私的流用と認定。小谷野氏の地盤である日高市の食品加工メーカーやキムチ製造販売会社での大量購入、ウイスキー466本(約213万円分)やチャイルドシートなどのベビー用品、健康食品や日用品の購入が報告された。

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