埼玉新聞

 

自動運転バスの実験中断 法定点検の未実施が発覚 さいたま市が発表 JR北浦和駅から埼玉大学間で実施中だった

  • 最新鋭のカメラやセンターが随所に取り付けられた実験車両=9月29日午後、JR北浦和駅西口

    最新鋭のカメラやセンターが随所に取り付けられた実験車両

  • 最新鋭のカメラやセンターが随所に取り付けられた実験車両=9月29日午後、JR北浦和駅西口

 さいたま市は13日、JR北浦和駅西口から埼玉大学(桜区)間で実施していた自動運転バスの実証実験を中断したと発表した。法定点検の未実施が発覚したためで、市は試乗した人や乗車予定だった人に謝罪した上で「再発防止に向けた具体的な取り組みを速やかに進める」としている。

 市交通政策課によると、今月4~13日が一般利用者向けの試乗運行期間だったが、12日昼に車両調達やシステムを管理する「A-Drive」から実験で使用しているバスに関して、道路運送車両法で定められている法定点検(定員11人以上は3カ月に1回)が行われていなかった旨の報告を受けたことから、同日午後以降の実験を取りやめた。

 同社が今回の実証実験のためバスのナンバーを再取得した今年9月、車検とともに法定点検が済んだものと誤認。他都市で車両を使う準備で点検に関する書類を整理した際に、法定点検の見落としが判明した。9月29日~10月24日の準備運行後、関係者と一般利用者計1256人が試乗。今日12日午後と、13日に乗車予定だった計153人には口頭やメールで事情を説明し謝罪。乗車した人にもメールで謝罪する。

 運転手による走行前の点検は毎回行われていて、これまでに不具合は確認されていない。市は、同社に対して法令順守を徹底するための点検や記録体制の強化を指示するとともに、庁内でもチェック体制の構築などの再発防止に努めるとしている。

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