埼玉新聞

 

三峰ロープウェイ復活に向け調査 埼玉・秩父 市が調査を行う秩父鉄道へ補助金 議会に予算案を提出へ 三峯神社への参拝客などで休日には激しい渋滞が発生

  • 【地図】秩父市(背景薄緑)

    秩父市の位置

  • 【地図】秩父市(背景薄緑)

 秩父市は12日、2007年に廃線した旧三峰ロープウェイの復活へ向けた可能性調査を本年度中に実施すると発表した。調査を行う秩父鉄道(本社・熊谷市)に対して、最大で補助金250万円を含む2025年度一般会計補正予算案を19日開会の市議会12月定例会に提出する。

 秩父市によると、同ロープウェイは1939年に三峯神社(同市三峰)への参拝客や登山者の利用を目的に、大輪駅~三峰山頂駅間(距離約1898メートル、高低差約680メートル)で運行を開始した。年間乗車数約35万人に達するなど好調だったが、65年に市街地から三峯神社へ通じる山道「三峰観光道路」が開通すると、利用客が徐々に減少し、2006年に運行休止、07年に事業廃止となった。

 三峯神社周辺には現在、年間約60万人の来訪があり、休日などは同神社駐車場から25キロ以上の渋滞ができている。今回の復活計画は、新たな観光資源の発信や地域住民らの生活環境改善などを目的に進めていく。

 清野和彦市長の公約の一つで、市観光課の担当者は「秩父鉄道も事業の効果が期待できると見込んでいることから、双方一致で進めている。旧ロープウェイと同じルートにするのか、新たなルートをつくるべきなのかなどを、今後の調査で模索していきたい」と話した。

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