性的暴行…女性恐怖、あぜ道に引きずり込まれる 11年前に乱暴した男、懲役10年の判決 襲われた直後に通報した女性、今も苦痛 裁判長「重大さを自覚させるために長期間の実刑に」…「記憶ない」と語った無職38歳
加須市で2014年、女性に性的暴行を加えたとして、わいせつ略取と強姦(ごうかん)致傷の罪に問われた無職吉岡和伸被告(38)=栃木県小山市=の判決公判が11日、さいたま地裁で開かれ、佐伯恒治裁判長は懲役10年(求刑・同11年)を言い渡した。
判決理由で佐伯裁判長は、性的暴行があったと認定し、女性が11年たった今も被害を忘れられず苦しみ続けているとし、「精神的苦痛は甚大」と指摘。犯行は「男女の力の差や被害者の恐怖心を利用し、相手を性欲のはけ口にしたもので、人の尊厳を踏みにじる悪質で許し難い」と述べた。
公判で吉岡被告は犯行を「記憶していない」と供述しており、佐伯裁判長は「真相が解明されず、被害者も深く傷ついている」とし、悪質性や被害結果の重大さを自覚させるために長期間の実刑が相当とした。
判決によると、吉岡被告は14年8月29日午後11時45分ごろ、道を歩いていた当時40代の女性の首を両手で絞め、「騒いだら殺す」などと脅迫。畑のあぜ道に引きずり込んで性的暴行を加え、左脚を負傷させた。
■人通りが少ない田園地帯 現金も強奪「殺されたくなかったら静かに」(以下、初報記事)
10年前に加須市で起きた性的暴行事件について、県警捜査1課と加須署は2024年12年3日、強姦(ごうかん)致傷、強盗致傷の容疑で、栃木県小山市城東7丁目、無職の男(37)を逮捕した。
逮捕容疑は2014年8月29日午後11時45分~翌8月30日午前0時ごろ、加須市の畑のあぜ道で、当時40代の会社員女性に性的暴行を加え、現金5万円やバッグなど25点(計15万9400円相当)を奪い、左脚にけがを負わせた疑い。男は黙秘しているという。
同課によると、現場は住宅が点在する、夜間の人通りが少ない田園地帯。男は市道を一人で歩いていた女性の首を絞めて畑のあぜ道に引きずり込み、「騒ぐな」「殺されたくなかったら静かにしろ」と脅迫。性的暴行を加え、バッグなどを奪って逃走した。直後に女性が110番した。
2人に面識はなく、遺留物や広範囲の防犯カメラの捜査などから男が浮上した。男は関東圏内の他の警察に逮捕されており、2日に加須署へ移送された。
当時、男は加須市と接する久喜市内に住んでいた。加須署や隣接する署管内では同様の性的暴行事件が05年10月~19年3月に数件発生しており、同課は関連を慎重に調べている。










