埼玉新聞

 

純利益が13・9%増で過去最高を更新 武蔵野銀行、25年4~9月期決算

  • 【企業】武蔵野銀行本店=外観

    武蔵野銀行本店=さいたま市大宮区

  • 【企業】武蔵野銀行本店=外観

 武蔵野銀行が7日発表した2025年4~9月期単体決算は、本業のもうけを示すコア業務純益(投資信託解約損益除く)が前年同期比27・8%増の108億6400万円。事業承継やビジネスマッチングといった企業の伴走支援が奏功した。

 金利の更改が進み、貸出金利息や有価証券利息配当金を主因に資金利益は8・7%増の253億5千万円と6年連続の増加。経常利益は政策株式の縮減に伴い株式売却益が増加したことなどから、22・3%増の115億3500万円だった。純利益は13・9%増の82億円と中間期ベースでは5年連続で増加し、過去最高を更新した。

 貸し出し先の倒産に備える与信関係費用は個別貸倒引当金の繰り入れが増加したものの、一般貸倒引当金の取り崩しや償却債権取立益が増加し、前年同期並みの1億円に抑えられた。

 期末の貸出金残高は3・4%増の4兆1880億円。中小企業向けの運転・設備資金、個人の住宅ローン需要が堅調だった。預金等残高は1・7%増の5兆1296億円、投資信託などの預かり資産は11・4%増の7828億円だった。貸出金利回り(政府等向け除く)は0・2ポイントプラスの1・15%。

 同行では業績の堅調ぶりを受け、26年3月期(通期)の業績予想を上方修正。1株当たりの年間配当金は35円増配の160円を見込む。また、株主還元の充実に向けて配当性向の目標を連結最終利益の40%程度に引き上げ。株主数の増加や株式の流動性を高めるため、4月1日に株式分割(1株を3株に分割。基準日は3月31日)を初めて実施する。今年は3カ年の中期経営計画の最終年度に当たることから、長堀和正頭取は「企業価値の向上と同時に地域課題に丁寧に向き合いたい」と話した。

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