埼玉新聞

 

殺人の疑いで逮捕された元職員を再逮捕 老人ホーム殺人事件 事件の前に飲食店で現金盗んだ疑い 「生活費を得るため」と容疑を認める

  • 【地図】鶴ヶ島市

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 鶴ケ島市若葉2丁目の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で、入居者の女性2人が殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された元職員の無職の男(22)=熊谷市箱田4丁目=が、事件前に熊谷市内の飲食店で現金を盗んだとして、県警西入間署特別捜査班は5日、建造物侵入と窃盗の疑いで、男を再逮捕した。「生活費を得るため」と容疑を認めているという。他の窃盗事件への関与もほのめかしており、県警が捜査している。

 再逮捕容疑は10月12日午前11時ごろから同月14日午後3時ごろまでの間、熊谷市内の飲食店に侵入し、レジ周辺の引き出しから現金2万円を窃取した疑い。

 捜査1課によると、飲食店はビルの中に入っており、当時は営業時間外だった。男はビル1階の入り口シャッター付近で、キーボックスにつけられたダイヤルロック式の4桁の暗証番号を開錠。中の鍵を使ってシャッターを開けて侵入したとみられる。暗証番号を知っていた可能性も視野に捜査を進める。

 殺人事件は、その後の10月15日未明に発生。施設の5階で就寝していた入所者の女性(89)と、4階の女性(89)が殺害された。死因は頸部(けいぶ)圧迫による窒息だった。県警は5階で就寝していた女性を殺害した容疑で男を逮捕した。男は2023年5月から昨年7月まで施設に勤務しており、2人とは面識があったとみられる。犯行の動機は判明しておらず、県警は事件の全容解明を進めている。

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