埼玉新聞

 

ホタルに「元気でね」 園児が幼虫を放流 埼玉・所沢の幼稚園の自然観察園

  • 園内の小川にホタルの幼虫を放つ園児ら=10月29日午前、所沢市荒幡

    園内の小川にホタルの幼虫を放つ園児ら=10月29日午前、所沢市荒幡

  • 園内の小川にホタルの幼虫を放つ園児ら=10月29日午前、所沢市荒幡

 園内でホタルを育成する所沢文化幼稚園の自然観察園(所沢市荒幡)で命の大切さを学ぼうと、系列の幼稚園、保育園児によるホタルの幼虫の放流が始まった。10月29日は約180人の園児が園内の川に幼虫を放し、「元気でね」「またね」と声をかけた。

 同園では1988年からホタルの鑑賞会を実施。園内のヘイケボタルとゲンジボタルが生んだ卵を採集し、約3カ月かけて約1・5~2センチの幼虫約3万匹が育った。

 園児は放流前に、幼虫の体に吸盤があるため川に流されないことや、ストローのような口で貝を溶かして食べることなどを学んだ。伸び縮みして動く幼虫を実際に観察し、「こんなに小さいんだ」「動いている」と驚きの声を上げた。放流された幼虫は成虫になり、来年5月には幻想的な光を楽しめる。女子園児(6)は、「楽しかった。また見に来る」と笑顔だった。

 梅沢定彦学園長(92)は、「自然は人間の感性をつくる。できるだけ触れさせたい」と話した。

ツイート シェア シェア