ガシャーン…小学生の列にSUVが衝突 去った運転手の男、法廷で認める「お酒を飲んで興奮し、逃げて後悔」 男児ら負傷 ビールの中ジョッキ5杯以上飲んだ直後か 弁護士「飲酒は多量でなく、けがも軽微」
三郷市の市道で5月、下校中の小学生4人が負傷したひき逃げ事件で、自動車運転処罰法違反(過失傷害アルコール等影響発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた中国籍の解体工の男(43)=三郷市早稲田7丁目=の初公判が30日、さいたま地裁越谷支部(奥山拓哉裁判官)で開かれ、男は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は懲役2年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。判決は11月13日。
検察側は論告で、男は知人と飲食店でビールの中ジョッキを5杯以上飲んだ直後に事故を起こし、「酒の影響は認識していた」と指摘。事故後に飲酒の発覚を免れようとしたことについて「対応は最悪。運転者としての自覚や責任を欠いている」と非難した。
弁護側は「飲酒量は多量ではなく、けがの程度も軽微だった」と主張。被害者4人のうち3人と示談が成立しているとして情状酌量を求めた。
男は被告人質問や最終意見陳述で、「お酒を飲んで興奮し、判断が鈍ってしまった。運転前に飲酒をしたこと、ぶつけたこと、逃げたことを後悔しています」と述べた。
起訴状などによると、男は5月14日、飲酒後に三郷市内の市道を走行中、路側帯を歩いていた小学生男児4人に衝突してけがを負わせたにもかかわらず、救護措置を取らずに逃走して飲酒運転の発覚を免れようとしたとされる。
■同乗者の男性は不起訴(以下、起訴時の記事)
三郷市の市道で、下校中の小学生4人がけがを負ったひき逃げ事件で、さいたま地検越谷支部は6月6日、自動車運転処罰法違反(過失傷害アルコール等影響発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の罪で、中国籍の解体工の男(42)=三郷市=をさいたま地裁越谷支部に起訴した。
地検越谷支部は同日、道交法違反(酒気帯び運転同乗)容疑で逮捕された同乗者の中国籍の男性(25)については不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。
起訴状などによると、男は5月14日、飲酒後に三郷市内の市道を乗用車で八潮市方面から千葉県流山市方面へ走行中、路側帯を歩いていた小学生男児4人に衝突してけがを負わせたにもかかわらず、救護措置を取らずに現場から逃走して飲酒運転の発覚を免れようとしたとされる。
■「相手が大丈夫と言った」と一部否認(以下、逮捕時の記事)
三郷市の市道で5月14日、下校中の小学生4人がけがを負ったひき逃げ事件で、県警交通捜査課と吉川署は18日、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、中国籍で三郷市早稲田7丁目、解体工の男(42)を逮捕した。
その後の捜査で、男が犯行前、事故当時車に同乗していた男と三郷市内の飲食店で飲酒していたことが判明。県警は今後、男の過失傷害容疑を過失傷害アルコール等影響発覚免脱に切り替えて捜査するとともに、同乗していた中国籍の三郷市新和4丁目、会社員の男(25)を道交法違反(酒気帯び運転同乗)の疑いで18日逮捕した。
解体工の男の逮捕容疑は14日午後4時5分ごろ、三郷市中央5丁目の市道を越谷市方面から千葉県松戸市方面へ走行中、右側の路側帯を歩いていた小学6年の男児4人=いずれも(11)=に衝突してけがを負わせ、救護措置などを取らずに現場から逃走した疑い。
会社員の男の逮捕容疑は14日午後3時40分ごろ、三郷市内の飲食店で解体工の男に自身の自宅まで送ることを依頼し、酒気を帯びた状態の解体工の男が運転する車に同乗した疑い。
解体工の男は「ぶつかったことは間違いないが、相手が大丈夫と言ったのでその場を離れた」と容疑を一部否認。県警は飲酒運転について、共犯のため2人の認否を明らかにしていない。
同課によると、解体工の男は18日午前8時半過ぎ、吉川署へ出頭。現場周辺の防犯カメラなどの捜査で犯行を特定した。県警は15日、現場から約2キロ離れた会社員の男の自宅駐車場で、逃走したスポーツタイプ多目的車(SUV)を発見、押収した。逃走車両の名義人は解体工の男だった。県警は15日、会社員の男に任意で事情を聴いていた。
■子どもらは互いに声をかけ合っていた「大丈夫?」(以下、事件直後の記事)
下校中の小学生の列に車が突っ込み、逃走したひき逃げ事件。現場では塀や道路を捜査員が入念に調べていた。三郷市の住宅街の一角で起きた事件で目撃者も多く、近隣住民は「早く捕まってほしい」と不安を募らせた。
事故を目撃した30代女性によると、集団下校の子どもが道の両端に10人ずつの列になって歩いていたところ、片方の列に車が突っ込んだという。塀と車に挟まれるような状態で、子どもたちはお互いに「大丈夫?」と声をかけていた。車からは男2人が降りてきたが、気にしていない様子で、日本語が拙かったという。女性が110番をしているうちに男らは逃げていた。
近隣の40代女性は「ガシャーン」という大きな音を聞いていた。車はグレーのスポーツタイプ多目的車(SUV)タイプの乗用車で、後続車があり、車を移動させるそぶりを見せたが、そのまま逃走したという。










