埼玉新聞

 

パトカーで恐喝しようとした…警官だった会社員、法廷で認める 処分され依願退職し就職 懲役3年を求刑 執行猶予を求めた弁護士「被害者から高校時代にいじめられ、今も苦しんでいる。就業したので社会で更生を」

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

    さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

  • 【裁判所】さいたま地裁=さいたま市浦和区高砂

 警察の業務システムで個人情報を不正に照会し、パトカー内で知人男性から現金を脅し取ろうとしたなどとして個人情報保護法違反、公務員職権乱用、恐喝未遂の罪に問われた、元埼玉県警鴻巣署地域課の警部補、会社員の男(56)=羽生市=の初公判が29日、さいたま地裁(佐伯恒治裁判官)で開かれ、男は起訴内容を認めた。検察側は懲役3年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて即日結審した。判決は11月26日。

 検察側は論告で「警察官の立場を悪用する犯行で、信頼を大きく損ねた」と指摘。普段の勤務態度から他の警察官や職務質問対象者に怒鳴るなど「再び犯行に及ぶ可能性があり、厳罰化が必要」とした。

 弁護側は、被告が被害男性から高校時代にいじめに遭っており、現在も適応障害などの後遺症に苦しんでいることや、保釈後に就業したことから社会での更生を求めた。

 起訴状などによると、男は2月23日から5月2日までの間、高校時代の同級生である東松山市の男性=当時(55)=とその妻の個人情報を138回にわたって不正に照会し、男性方を訪れてパトカー内で男性らから現金15万円を脅し取ろうとしたなどとされる。

 県警は男を逮捕後に9月11日付で停職6カ月の懲戒処分にし、被告は同日付で依願退職した。

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