きっかけは市の名前が一字違い 宮城・東松島市から埼玉・東松山市へサツマイモ贈る 震災の復興支援を縁に交流続く
2025/10/27/12:10
東日本大震災の被災者の集団移転地区、宮城県東松島市あおい地区会の会員らが15日、東松山市役所を訪れ、森田光一市長に自分たちが栽培したサツマイモを贈った。両市の市名が一字違いということが切っかけで、東松山市が東松島市の震災復興を支援したことが縁で、官民での交流が続いている。
あおい地区では、震災で津波被害を受けた東松島市内の約580世帯が集団移転して暮らしている。あおい地区会は地区内の三つの自治会の連合組織で、高齢者の見守りや、農園での野菜作りなどの地域活動に取り組んでいる。
震災後、東松山市が官民を挙げて東松島市を支援したことが縁で、両市の災害相互応援協定と友好都市盟約が結ばれた。2019年の台風19号で東松山市が大きな被害を受けると、今度は東松島市が支援。あおい地区会は農園のサツマイモをふかして、被災者に振る舞った。それから毎年、同会は農園で収穫したサツマイモを、台風19号の被災地区と東松山市に届けている。
今回訪問したのは、あおい地区会の小野竹一会長ら4人。農園で今年初めて収穫したサツマイモを16袋(1袋約18キロ)を、台風19号被災地区と市に贈った。小野さんは「震災で受けた恩は一生忘れないという気持ちを持っている人が、あおい地区には多い。その思いを何らかのかたちで表現できれば」と話す。
森田市長は、各地で災害が絶えないことも受けて「震災の経験を風化させないようにしなくては」。同会の地域での活動について「こうした努力で住民の気持ちが一つになる。お手本ですよ」とたたえていた。










