悲しくて混乱…女性死亡、タオルで窒息 他界した親が暮らした実家で 朝から女性を手伝った男、強盗殺人の疑いで裁判へ 現金盗み「ばれて殺した」さらに実家が火災、女性遺体を発見 遺族「大切な家族を奪われた」
さいたま市桜区の空き家の火災現場から女性の遺体が見つかった事件で、窃盗と殺人の疑いで逮捕されていた群馬県太田市の大工の男(70)について、さいたま地検は17日、強盗殺人の罪でさいたま地裁に起訴した。裁判員裁判で審理される。
起訴状などによると、男は9月6日、さいたま市桜区田島9丁目の空き家で、無職女性(60)=群馬県太田市=が所有する現金100万円入りの手提げバッグを窃取したが、女性に発見されたことから、逮捕を免れようと殺害を決意し、殺意をもって女性をあおむけに押し倒して首にタオルを押し付けて圧迫するなどして、窒息により死亡させて殺害したとされる。
県警によると、2人は知人関係で、男は「金を盗むのが目的だったが、ばれてしまったので殺した」と容疑を認めていた。
■女性が男に荷物運搬を依頼、2人で車に(以下、再逮捕時の記事)
さいたま市桜区の空き家で、火災の焼け跡から遺体が発見された事件で、県警は9月26日、遺体の身元を特定し、首を圧迫して死亡させたとして、殺人の疑いで、群馬県太田市新田村田町、大工の男(70)を再逮捕した。「金を盗むのが目的だったが、ばれてしまったので殺した」と容疑を認めているという。
再逮捕容疑は9月6日午前9時10分ごろから午後6時20分ごろまでの間、さいたま市桜区田島9丁目の木造2階建ての空き家内で、所有者の無職女性(60)=群馬県太田市新田瑞木町=に対して、殺意を持って首を圧迫し、死亡させた疑い。女性の遺体は7日に見つかり、死因は窒息だった。
捜査1課によると、2人は知人関係。現場の空き家は女性の実家で、現在は物置として使用していた。女性が男に荷物の運搬を依頼し、犯行当日の6日午前中に太田市内から、男の軽乗用車で現場まで向かったという。
男は、女性が当時所持していた現金約100万円と女性のスマートフォンを盗んだとして、9月8日に窃盗の疑いで逮捕、送検されていた。県警は事件と火災の関連を慎重に調べている。
女性の遺族は県警を通じて、「大切な家族を奪われ、深い悲しみと混乱の中にいます。今後の捜査や裁判を通して真実を明らかにしてほしい」とコメントした。
■火災通報の女性「なぜ知りたい」
現場の住宅はさいたま市桜区の住宅街の一角にあり、火災により壁面は剥がれ落ちて規制線が張られていた。
近隣に住む女性(83)は被害者の女性と顔見知りで、住宅は数年前に両親が亡くなり女性が相続し、月に1回訪れていたという。事件当日の9月6日の午前中、女性が男性と住宅に荷物を運び入れている姿を目撃しており、男性のみがその後、現場から立ち去ったという。
男性が立ち去った約3時間後に火災が発生し、女性が119番した。「トラブルは聞いたことがなく、なぜ事件が起きたのか知りたい」と声を震わせた。










