埼玉新聞

 

保育園、9521万円を不正受給 職員の人数を水増し…飯能市が返還請求 情報提供あり、市の調査で発覚 新規利用者の受け入れ、1年間停止の行政処分も

  • 【役所】飯能市役所=飯能市双柳

    飯能市役所=飯能市双柳

  • 【役所】飯能市役所=飯能市双柳

 飯能市は17日、市内で保育園を運営する社会福祉法人「現成会」(吉村万岳理事長)が、職員の配置人数を水増しし、計9521万8228円を不正に受給したと発表した。市は不正受給額の返還を請求し、11月1日から1年間、保育園の新規利用者の受け入れを停止させる行政処分を行った。

 市保育課によると、処分を行った施設は飯能元氣保育園(0、1歳児23人在籍)と同園分園(1、2歳児32人在籍)。2018年度から23年度の間、隣接する幼稚園や同会運営の高齢者施設の職員ら延べ61人が、保育園で勤務していたと虚偽の報告をした。市の調査により、実際は職員の配置基準を満たしていなかったことが分かった。

 虚偽の報告により、規定の職員数を満たしていないと受給できない「子どものための教育・保育給付費」計4206万9810円(18~23年度)、「民間保育園運営改善費補助金」5314万8418円(19~23年度)を不正受給した。

 24年3月に不正について保育課に情報提供があり、市の調査で不正受給が発覚。これまでに市の請求に基づいて計約740万円が返還され、今月27日までに全額返還される予定だという。同課は既に在籍している園児たちの保育について、「保育内容に関する重大な支障や影響は確認されなかった」とし、引き続き保育を受けることができるとした。

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