埼玉新聞

 

埼玉県内初の屋根付き処分場 埼玉・所沢 最終処分場が完成 別の処分場が2005年に満杯に→20年間、群馬や福島、埼玉・寄居の処分場で処理 20年ぶりに市内での処理が可能に

  • 新しく完成した所沢市の一般廃棄物最終処分場(提供)

    新しく完成した所沢市の一般廃棄物最終処分場(提供)

  • 建物内の埋め立て地で行われた落成式=7日午前、所沢市南永井

    建物内の埋め立て地で行われた落成式=7日午前、所沢市南永井

  • 新しく完成した所沢市の一般廃棄物最終処分場(提供)
  • 建物内の埋め立て地で行われた落成式=7日午前、所沢市南永井

 所沢市南永井に新たな一般廃棄物最終処分場が整備され、落成式が7日に行われた。県内初の屋根付きで、建物内の容量約13万立方メートルの埋め立て地に、可燃ごみの灰などが処分される。20年ぶりに市内のごみを市内で処分する「自区内処理」が可能になり、約15年間利用できる見通し。

 市資源循環推進課によると、処分場は県内初という被覆型で、景観に配慮し、粉じんや作業音、雨水の侵入を防ぐ効果が期待できる。建物内に深さ約10メートル、容量約13万立方メートルの埋め立て地があり、埋め立て期間は約15年の見通し。敷地面積約5万600平方メートルのうち約38%を関東地方の在来植物を植えた緑地とし、近隣住民が使えるよう、遊具や広場が整備された。整備事業費は約61億6700万円。

 同市北野には別の処分場が1989年から利用されていたが、2005年3月に満杯になり埋め立てが終了。約20年間、群馬県や福島県の民間処分場や寄居町の県営処分場まで運び、処理していた。近年は用地確保などの課題から新たな処分場の建設が難しく、区域外にごみを処分する自治体は多いという。

 現地点が11年に選定されてから、市側と協議を行っていた自治会の岡田和夫さん(71)は「最初はなぜここなのかと思ったが、絶対どこかに必要なもの」と語る。周囲は民家も近く、建設反対派からは、農作物不買運動につながった「ダイオキシン騒動」を踏まえ、風評被害を心配する声もあったという。市側から被覆型での提案があり、自治会は周辺道路や下水道整備を要望。岡田さんは「計画通りにいかないこともある。今後も見守る」と話した。

 7日の落成式は、ごみのない埋め立て地で実施された。小野塚勝俊市長は「廃棄物には『自区内処理』の原則がある。市内で廃棄されたごみは市内で処分するということ。20年ぶりにこの難しい課題をクリアすることになった」と話した。処分場の愛称は「やなせみどりの丘」で、23日から搬入が始まる予定。

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