創業73年の印刷会社が自己破産申請へ 負債3億5千万円 グラビア印刷、ペットボトルのフィルム扱う 埼玉・川越の多漣堂 環境問題や原料高騰が打撃【倒産情報】
2025/10/08/14:40
帝国データバンクによると、印刷業の多漣堂(埼玉県川越市)は、9月30日までに事業を停止し、事後処理を安部慶彦弁護士(鹿島台総合法律事務所、東京都港区)ほか1人に一任、自己破産申請の準備に入った。負債は2024年12月期末時点で約3億5千万円。
同社は、1952年に創業、58年3月に法人改組された長年の業歴を有する印刷業者。主に同業者から受注を獲得し、ポリエチレンフィルムや各種ラミネート製品などの軟包装材を対象にグラビア印刷を行っていた。なかでもコンビニエンスストアの弁当やペットボトル飲料向けの帯型フィルムやシュリンクフィルムの扱いが中心で、ピークとなる2009年12月期には年売上高約6億5千万円をあげていた。
しかし、その後は環境問題によってプラスチック包装の見直しが行われ、受注が漸減。さらにコロナ禍による受注減もあり、21年12月期の年売上高は約3億8200万円にとどまっていた。その後、受注がやや持ち直し23年12月期には年売上高約5億7500万円を計上したものの、翌期には再度受注が落ち込むなど不安定な経営を余儀なくされていた。原材料価格の高騰が追い打ちとなって資金繰りがさらにひっ迫し、事業の継続を断念した。
=埼玉新聞WEB版=










