埼玉新聞

 

倒産12年ぶりの210件台 負債10億円超の倒産が3件 埼玉県内、4~9月の上半期 小規模が7割超 不透明な要因が多く「しばらくは増加傾向が続く」と見通し

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    埼玉県内の倒産、12年ぶりの210件台

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 帝国データバンク大宮支店が6日までに発表した2025年度上半期(4~9月)の埼玉県内企業倒産集計(負債額1千万円以上、法的整理)は、前年同期比7件(3・4%)増の213件、負債総額は138億7300万円(36・9%)減の237億2100万円だった。倒産件数が210件を超えたのは13年度上半期(222件)以来、12年ぶりとなる。

 業種別では、建設業が59件(構成27・7%)で最多。次いで、小売業とサービス業がそれぞれ40件(同18・8%)、製造業が31件(同14・6%)で続いた。建設業が最多となるのは20年度上期以降6期連続。小売業の増加率は48・1%(13件)と最も高くなった。一方、不動産業の倒産はなく、現在の集計基準になった05年度上半期以降で初めてとなる。

 負債額別では、5千万円未満が137件(同64・3%)と最も多く、1億円以上5億円未満が37件(同17・4%)、5千万円以上1億円未満が26件(同12・2%)で続いた。

 10億円以上の大型倒産は、木材・竹材卸のコーワ(狭山市、負債総額29億4400万円=6月)、建築工事のリブディング(さいたま市浦和区、同11億5千万円=6月)、同業のプラスアルファ(川口市、同10億8900万円=5月)の3件。1億円未満の小規模倒産が全体の76・5%を占めた。

 要因別では販売不振が191件(同89・7%)と圧倒的多数。放漫経営が9件(同4・2%)、その他の経営計画の失敗が6件(同2・8%)で続いた。粉飾決算をはじめ不適切な経営を続けたことで破綻するケースが散見された。

 業歴別では、30年以上が64件(同30・0%)でトップ。5年以上10年未満が43件(同20・2%)、20年以上30年未満が34件(同16・0%)で続いた。

 同社調査では県内の9月の景気動向指数(DI)が前月比0・1ポイントマイナスの「42・6」。ここ3カ月間横ばいが続いており、同支店では「物価高や人件費高騰に持ちこたえられず事業継続を断念する企業が一定数出ている」と分析。米国関税やイスラエル・ガザ戦争など地政学リスクなど不透明な要因が多く、「しばらくは増加傾向が続くだろう」と見通した。

 9月単体の倒産件数は前年同月比6件(19・4%)増の37件で、前年同月を4カ月連続で上回った。負債総額は47億円(62・4%)減の28億3400万円だった。

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 東京商工リサーチ埼玉支店がまとめた25年度上半期の県内企業倒産状況(負債額1千万円以上)は前年同期比9件(4・0%)減の216件。負債総額は103億8300万円(27・6%)減の272億6400万円。9月単体では前年同月比5件(12・8%)減の34件。負債総額は40億1千万円(52・8%)減の35億9千万円だった。

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