埼玉県内初…公共ライドシェア活用の町営バス 民間の路線バスを引き継ぎ、10月から運行開始 埼玉・ときがわ 幅広く運転手の確保へ
2025/10/07/13:37
ときがわ町は1日から、イーグルバスグループ(本社・川越市)の協力で町営バスの運行を開始した。深刻な運転手不足などで民間の路線バスの減便や一部運休が進む中、“町民の足”の維持を目指す。交通空白地解消のため、国が認めている事業者協力型による自家用有償旅客運送(公共ライドシェア)を活用したもので、県内では初の事例という。
通常はバスで乗客を有償で運んだ場合、運転手は大型2種免許が必要。公共ライドシェアの制度を活用すると、主にトラックなどが対象の大型1種免許の保持者でも、所定の講習を受けるとバスを運転することができる。幅広く運転手の確保がしやすくなるのが特徴だ。
イーグルバスのグループ会社が町の委託を受けて行うのは、運転手の教育や安全管理など。運転手は乗務前に遠隔で点呼を行い、体調や酒酔い状態でないかをチェックされる。バスの前方と運転席を映すカメラがあり、運転手が交通法規を守っているか、居眠りをしていないかなどを、営業所からリアルタイムで確認できるという。
町営バスは利用定員24人のバス2台を導入。専属運転手4人で運行する。路線は慈光寺入り口から日赤病院前(小川町)まで、平日で往復16便。9月30日までイーグルバスが運行していた路線を引き継ぐかたちとなる。このうち、慈光寺入り口からせせらぎバスセンターの区間は2023年から運休となっていた。
町営バス運行開始前日の9月30日には、町役場本庁舎北側駐車場で出発式が行われた。イーグルバス社長の谷島賢さんは「運転手不足でバスの減便などをせざるを得なくなり心苦しく思っていたが、規制緩和でイーグルバスグループとして協力できることができて良かった」と話していた。










