すごい…同じ中学校の2人、全国の舞台で1、2位 さいたま片柳中3年の大森蒼以と飯塚俊介 陸上・男子棒高跳び、大森が大会新で優勝 小4からのライバル、今夏に飛躍遂げる
8月に沖縄県で行われた全国中学体育大会の陸上男子棒高跳びで、埼玉県のさいたま片柳中3年の大森蒼以が大会新をマークし栄冠に輝き、同校3年の飯塚俊介が2位に入った。日ごろから切磋琢磨(せっさたくま)し、高め合ってきた2人を紹介する。
■ライバル
全中では大森蒼以が5メートル05をクリア。飯塚俊介も4メートル80で続き、同じ中学校の2人が全国の舞台で1、2位となった。大森は同月の関東中学大会で5メートル06をマーク。これまでの日本中学記録5メートル05を7年ぶりに更新して優勝していた。
さいたま片柳小4年時からの友人で、互いがライバルと認め合う仲。飯塚は小学4年時に、片柳中元陸上部顧問で同校外部指導者の川上康夫さんが代表を務める片柳棒高跳びクラブに入る。大森は中学1年時に、川上代表の誘いを受けて競技を始めた。川上代表は「陸上競技の土台は走力」と断言する。2人は助走のスピードと空中動作の技術を向上させて今夏に飛躍を遂げた。
■実力伯仲
週5日練習を行い、放課後は陸上部顧問の村山悠希教諭の指導の下で練習。下校後は片柳棒高跳びクラブで汗を流してきた。大森は小学校卒業の3カ月前から体操に取り組み、「跳んだりする感覚が似ている」と今では競技に没頭している。川上代表が身体的な成長を見据えて、高跳びを勧めた。
昨年の全中を4メートル50で制した飯塚の自己ベストは7月の県中学総体でマークした5メートル00。大森も5メートル00を跳んだものの試技数で2位となった。当時は2人が県中学タイ記録をマークした。飯塚は「大森と一緒に競技をしているからこそモチベーションが上がる。日本中学新記録を更新してくれてうれしい」と自分のことのように喜んだ。
■ポールの長さ
2人のポールの長さは15・7フィート(4メートル80)。大学生が使用するほどの長さで高反発が得られる。一方で重量が増して扱いが難しいため、中学生が用いるのは極めてまれだ。体が成熟していないため、筋力アップではなく筋力維持に努めながら2人はこのポールを使いこなしている。
身長174センチの大森はバーを正確にクリアする華麗な跳躍を意識。同181センチの飯塚は長身を生かした躍動感ある助走で跳躍する。成長著しい2人について、村山教諭は「2人とも素直。アドバイスをよく聞いてくれる。この先もすごい記録を出してほしい」とエールを送る。今後の目標について大森は「国スポで高校生に勝って優勝したい」と胸を躍らせる。飯塚は「大森の記録を超えられるように頑張る」と巻き返しを誓った。










