紀州材を用いた大規模倉庫 埼玉・上尾のFJホールディングス 本社近くに新設 資材管理に加え、イベントでの活用も想定
2025/09/22/08:19
FJホールディングス(上尾市)は、木製資材を管理する倉庫を本社付近の上尾市東町に移転を予定している。移転完了は10月末の予定で、同社によると自社倉庫の新設は初となり、新倉庫は2008年からFJグループが植林活動を行う和歌山県の紀州ひのきを用いた約200坪の大規模な木材倉庫。グループ会社の富士住建・CS推進部の米山彰部長は「木材の可能性を感じた。国産の材料をいろいろな用途で使い、日本の林業も支えていきたい」と環境に配慮した企業構想を示している。
富士住建が提供する注文住宅「紀州の風」「檜(ひのき)日和」で使う樹齢60年以上の紀州材を自社倉庫に生かした建築。倉庫内にはヒノキの香りが漂う。断熱材不使用にもかかわらず木材の調湿効果により外気温と10度ほど差が生まれ、過ごしやすい温度に保たれている。無垢材が複雑に組まれた天井に、戸や棚まで神社仏閣などの歴史的建造物を彷彿(ほうふつ)させる造りだ。
資材調達などを担当する協力企業のモック(八潮市)営業部の鏑木則隆係長は「無垢(むく)材には長い歴史がある。日本で建物を建てるなら、四季のある日本文化に長く寄り添い、国内で育ってきた木材が最適」と林業や木造建築の価値を指摘した。
FJグループは倉庫の用途として資材管理に加え、イベントなどでの活用も想定する。県内地域の子どもたちが木に触れ合い、木の良さや林業の大切さを学ぶための木育事業にも注力していく方針。










