「うるせえ、おまえも辞めろ」など発言の市議に辞職勧告 SNSで許可なく顔写真配信も 市議会が辞職勧告決議案を全会一致で可決 議員「言葉が強くなってしまった」と認めた上で、辞職を否定
三郷市の関根和也市議(45)=無所属=が市職員に不適切な言動を行ったとされる問題で、市議会9月定例会は19日、議会の権威と市民の信頼を著しく失墜させたとして、関根市議に対する辞職勧告決議案を全会一致で可決し、閉会した。市や市議会によると、関根市議は8月18日、市役所窓口で職員の個人名を叫び、「犯罪者はここにいちゃいけない」「うるせえ、おまえも辞めろ」などと発言。自身の交流サイト(SNS)で職員の顔写真を許可なく配信し、誹謗(ひぼう)中傷を繰り返したという。決議に法的拘束力はない。
関根市議は7月の市議選で初当選。市によると、市議になる以前から庁舎内でトラブルを起こし、当選後の8月以降、秘書課や企画政策課を複数回訪れ、特定の職員を名指しし、「犯罪者」などと大声を出すなどしていたという。
関係者によると、市幹部職員や市議の自宅前に夜訪れ、拡声器で不適切な言動を続けることもあったという。午後9時過ぎに自宅前で、犯罪者扱いされ叫ばれたという男性市議は「私はともかく近所の住民にまで迷惑がかかる」と怒りをぶちまけた。
市や市議が警察に度々通報。警察からは被害に遭った場合、動画撮影や録音をするよう指導を受けていた。8月18日の動画では、関根市議がカウンター越しに、男性職員の前に顔を寄せ怒鳴り続ける様子が撮影されていた。
木津雅晟市長が8月22日、撮影した動画など資料を議会に提出。議会は同25日、政治倫理条例に基づく審査会を設置。審査会は9月16日、会長を除く9人全員が議員辞職勧告相当として答申を出した。答申を受け、議会は閉会日の19日、決議案を可決した。
武居弘治議長は「当然の結果。今すぐにでも辞めてほしい。議員も被害を受けており、法的対応も視野に入れる」と述べた。
木津市長は「(関根市議が)議員としてふさわしくないという結論を議会に受け入れていただいた。被害にあった職員のみならず、周囲の職員に不安を与え、一般市民にも恐怖感を与える。まずは職員の安全が第一」と話した。
関根市議は取材に対し、問題となった言動については「言葉が強くなってしまった」と認めた上で、辞職を否定し「数の論理で正義が負ける。これからも不正を追及する」と答えた。










