江戸時代の朱子学者・新井白石、埼玉にゆかり 領地だった白岡市野牛地区に伝わる肖像画など市指定文化財を一般公開 10月4日「ゆかりの偉人を知って」
2025/09/17/11:23
江戸時代の政治家で朱子学者の新井白石(1657~1725)の没後300年を記念し、白石の領地だった白岡市野牛地区に伝わる肖像画など市指定文化財3点が10月4日、地元の観福寺で一般公開される。悪弊を改める政治改革を断行し、地域の農業振興にも貢献した白石。主催者は「清廉な人柄で知られ、教科書にも載った白岡ゆかりの偉人を知ってもらいたい」と来場を呼びかけている。
公開されるのは、白石の子孫が観福寺に納めた「紙本着色新井白石画像」、漢詩人としての足跡を示す「新井白石自筆漢詩」、地元の野牛久伊豆神社に伝わる「朝鮮通信使奉納扁額と下書き」。いずれも江戸時代の文化財で、所有者から寄託されて市教委が収蔵し、普段は複製品が展示されている。
上総国久留里(現・千葉県君津市)藩士の子として生まれた白石は江戸で学んで幕臣となり、六代将軍・徳川家宣のもとで「正徳の治」と称される政治改革に着手した。
拝領した1千石のうち500石を占めた野牛村(現・白岡市野牛地区)への思い入れは深く、後背湿地の排水路「白石様堀」を開削させて良田を作り、飢饉に備えて食糧を貯蔵する「郷倉」を建てるなど発展に寄与した。
村人は敬愛の念を込めて白石のことを「筑後様」と呼び、現在も野牛地区に残る史跡をアピールするなど顕彰活動が続いている。命日の前日に当たる今年5月18日には、没後300年の記念植樹も行われた。
文化財の公開は市教委と白岡遺産保存活用市民会議の共催で企画。午後1時半と同2時半の2回行われ、市文化財保護審議会の板垣時夫会長が解説する。いずれも各回先着50人、参加無料。
問い合わせは、市生涯学習課(電話0480・92・1894)へ。










