埼玉新聞

 

党費の私的流用を否定 自民埼玉県連の小谷野県議が会見 「意図せず領収書混入」 県連幹事長の役職一時停止「一方的に行われた」と反論

  • 記者会見した小谷野五雄県議=12日午前、さいたま市浦和区

    記者会見した小谷野五雄県議=12日午前、さいたま市浦和区

  • 記者会見した小谷野五雄県議=12日午前、さいたま市浦和区

 自民党県連の小谷野五雄県議(69)が、県連の党費を私的流用した疑いで幹事長の役職の一時停止措置を受けた問題で、小谷野県議が12日、さいたま市浦和区内で記者会見し「全ての領収書を事務局に渡し、不適切な処理はしないでほしいとお願いしていた中でチェックが漏れ、日用品が混入した。意図的ではなく、はじかれず精算された。私的流用ではなく、故意に精算を求めた事実はない」と主張した。

 報道されている2900万円という金額は6年5カ月間の(幹事長としての)支出の合計であるとし、「数字が独り歩きし、巨額な不正があったように報じられ、政治活動に深刻な影響が出ている。疑義があるとされた100万円弱を8月末に供託しており、既に返済が済んでいる」との認識を示した。

 役職の一時停止措置について、「一方的に行われた」と反論。「幹事長として職責を全うし、政治家として県民の皆さまの信頼に応えていく」と自身の進退に触れ、今後の調査には「公平性、中立性、客観性が確保されることを前提に、全面的に協力する」と述べた。

 一方で、県連幹部は取材に対し、「レシートを経理担当者に直接渡していて、変な出費がいっぱいあって担当者が困っていた。小谷野氏が精算するように指示したお金の合計が2900万円。100万円弱とした金額は勝手に精査したのではないか。精算方法の説明にも矛盾がある」と指摘した。

 小谷野県議が県連の規約に存在しないと主張する一時停止措置については、「処分となると、党紀委員会をやって時間がかかる。今回の事案は重大かつ早急に解決する必要がある。緊急措置として役員会で役職の一時停止措置を決めた」と経緯を説明した。

 県連は調査委員会を立ち上げ、小谷野氏が2020~25年に党費で精算した約1100件について、年内をめどに調査を進めるとしている。

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