依願退職…パトカーで恐喝しようとした警官 車内で同級生夫婦から現金を脅し取ろうとした疑い 恐喝未遂の罪、裁判へ 夫婦の個人情報を138回も調べ「お金返して。奥さんの職場にも電話してね」
警察の業務システムで個人情報を不正に照会し、パトカー内で知人男性から現金を脅し取ろうとしたなどとして、埼玉県警は11日、鴻巣署地域課警部補の男(55)を停職6月の懲戒処分にしたと発表した。男は同日付で依願退職した。また、さいたま地検は同日、男を個人情報保護法違反、公務員職権乱用、恐喝未遂の罪でさいたま地裁に起訴した。
起訴状などによると、男は2月23日から5月2日までの間、学生時代の同級生である東松山市の男性=当時(55)=とその妻の個人情報を138回にわたって不正に照会し、男性方をパトカーで訪れて車内で男性とその妻から現金を脅し取ろうとした。さらに部下の20代男性巡査に対し、必要がないのにパトカーを運転させたとされる。県警の調べに対して被告は、「間違いない」と供述している。
県警は同日、男性巡査など4人に本部長注意や所属長注意の処分を行った。斎藤克也首席監察官は「県民の信頼を大きく損ねる行為であり、被害者や県民の皆さまに深くおわびする。再発防止に取り組み、信頼回復に努める」とコメントした。
■部下を車外に出し「15万円も貸してさ、返してくれる」(以下、初報記事)
警察の業務システムで個人情報を不正に照会し、パトカー内で知人男性らから現金を脅し取ろうとしたとして、県警捜査1課などは8月21日、個人情報保護法違反、恐喝未遂、特別公務員暴行陵虐、特別公務員職権乱用の疑いで、鴻巣署地域課の警部補の男(55)=羽生市南羽生2丁目=を逮捕した。
逮捕容疑は2月23日と5月2日、同署内のパソコンを利用して氏名や住所を不正に照会し、5月2日に東松山市内の男性(55)方に赴き、パトカー内で男性と妻に対して「15万円も貸してさ、返してくれる」「奥さんの職場の方にも電話してね」などと申し向け、現金を脅し取ろうとした疑い。さらに必要がないのに、部下の20代男性巡査に対し、パトカーを運転して男性方に赴くように命じて、パトカーを走行させたなどの疑い。
県警によると、男は男性と学生時代の同級生で、「学生時代にお金を無心され、15万円ぐらいに積み上がっていた。脅し取ろうとは思っていなかった」と供述している。事件当時、男は職務中で、男性巡査に車外で待機するよう指示。車内のドライブレコーダーにやりとりが録画されていた。
男は2022年9月から、同署地域課の無線自動車警ら係の係長として勤務し、勤務態度に問題はなかったという。県警は他にも不正に照会を行っていたとみて余罪を調べている。
県警の斎藤克也首席監察官は「職員が逮捕されたことは誠に遺憾。今後の捜査の結果を踏まえて厳正に対処する」とコメントした。










