埼玉新聞

 

安全性を高め多用途に 埼玉の県立武道館(リプロ武道館)がリニューアルから1カ月 床材張り替えやLED照明も

  • LED照明に切り替え、床材を張り替えた県立武道館(リプロ武道館)の第2道場

    LED照明に切り替え、床材を張り替えた県立武道館(リプロ武道館)の第2道場

  • LED照明に切り替え、床材を張り替えた県立武道館(リプロ武道館)の第2道場

 大規模改修で昨年9月から休館していた上尾市の県立武道館(リプロ武道館)が8月1日にリニューアルオープンした。利用者の安全性と競技環境の向上のために床材の張り替え、照明を発光ダイオード(LED)に切り替えた。県内武道界の拠点である同施設。バレーボールや卓球など球技の利用機会増加を見込むなど、多用途な武道館として新たなスタートを切った。

■身近な存在に

 2003年8月1日の開館から22年が経過。今回の大規模改修では利用者の安全確保のため、ささくれを防ごうとナラの床材を主道場に、ヒノキの床材を第2道場に使用した。各道場は柔道や剣道の稽古や試合の際に裸足で使用する機会が多く、競技者に寄り添った環境を整えた。

 新井彰館長(70)は「観客や選手をはじめ、利用者の利便性が高まり、多用途に使ってもらいたい。各大会を一緒に盛り上げていきたい」と県民がより身近に感じる武道館を目指す。

■競技人口増へ

 03年まで県庁(さいたま市浦和区)に隣接していた県立武道館。現在の地に移ってからは20年以上武道教室を実施。対象は柔道や剣道、空手、弓道、合気道など9競技に上る。県弓道連盟の今年5月末時点の登録者は6018人で、5年前の4949人から1000人以上増えるなど、地道な取り組みが競技者増加につながっている。

 25年7月末現在、武道教室の初心者は合計で78人。そのうち弓道は40人に上る。専用の練習施設が少ない中、各市の弓道連盟が最寄りの高校の弓道場を練習場所として使用するなど、積極的に普及活動を行い、武道教室との相乗効果を発揮している。

■球技の会場にも

 これまでに04年に県内で開催された国民体育大会(彩の国まごころ国体、現国民スポーツ大会)や08年の全国高校総合体育大会の柔道と新体操などの全国規模の大会を実施。その一方でバレーボールの試合会場や卓球教室など球技にも使用され、年間利用者数は15~18万人で推移する。

 女子バレーボールのSVリーグ埼玉上尾メディックスは改修前から公式戦の一部を行っており、10月11日から始まる25~26シーズンは、リプロ武道館が開幕戦の会場となる。翌12日を含め、今シーズンは44試合中、4試合をリプロ武道館で行う予定。大規模改修を経て、スポーツ人口の拡大と魅力発進の拠点として可能性を広げていく。

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