埼玉新聞

 

<J1浦和>MF原口、チームを離脱 海外クラブへの移籍を前提、手続きと準備のため 昨シーズン途中、10年ぶりに復帰…優勝を第一に考えていた精神的支柱「思い描いていた姿、示せず残念」

  • シーズン途中での退団を決意した原口元気

    シーズン途中での退団を決意した原口元気=4月9日、大原サッカー場

  • シーズン途中での退団を決意した原口元気

 浦和は5日、MF原口元気(34)=熊谷市出身=が海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のため、チームを離脱すると発表した。

 昨シーズン途中に10年ぶりに浦和に復帰したが、今季はリーグ戦21試合に出場し無得点に終わっていた。原口はクラブを通じ「復帰してから、思い描いていた姿を皆さんに示すことができなかったと感じており、非常に残念な気持ちです」とコメントした。

■“3度目”は指導者として

 約1年前に再び赤いユニホームに袖を通す決意をし、10年ぶりに浦和に復帰した。入団会見では「もう一回自分自身の価値を浦和レッズで示し、もう一度強い浦和レッズをつくっていけるように頑張っていきたい」と意気込みを見せていた。

 2024年11月10日の広島戦では復帰後初ゴールを決めた。自身にプレッシャーをかけるため、今季からは背番号を9に戻した。だが、開幕からベンチを温める時間が多く、ここまで公式戦26試合に出場しているが、スタメン出場は4試合にとどまっていた。

 途中出場が多かったため、守備が求められるプレーも増えた。左サイドから得意の形で攻め込むプレーは限られていた。それでも、勝利のために泥くさく戦う姿は変わらなかった。

 クラブ発表のコメントでは「もう一度、自分が輝くためにできる限りの努力を重ね、いろんな挑戦をしてきました。それでも思い通りにはいかず、その責任も強く感じていますが、同時にここが一区切りのタイミングだと、見切りをつけることができました」と胸の内を語った。

 浦和で最後のプレーとなった3日のYBCルヴァン・カップ準々決勝第1戦では左ウイングとして先発出場。切れのあるドリブルなど前線で躍動。「攻撃の機会も多かったので良い感じでできていた」とホーム埼玉スタジアムでファン・サポーターへ雄姿を見せた。

 引退後のキャリアにも言及し、「選手引退後に指導者としての道を考えています。まだ選手として価値のあるこのタイミングでヨーロッパへ渡り、指導者としての下積みも経験することが自分にとって一番良い選択だと考えました」と第二の人生への青写真を描く。

 浦和の優勝を第一に考え精神的支柱となっていたが、選手としては夢半ばでの離脱となった。「浦和で3度目の挑戦を指導者として」。夢の続きはまだまだ終わらないだろう。

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