娘死亡、生後5カ月…「溺死させた」と認めた妻、夫と3人暮らしだった 「娘が他人に育てられ、私の顔を忘れるのが嫌だった」は身勝手、妻に懲役4年を求刑 法廷で弁護士「典型的な周産期うつ病」
生後5カ月の長女を溺死させたとして、殺人の罪に問われた、熊谷市の無職の女(30)の裁判員裁判の論告求刑公判が26日、さいたま地裁(江見健一裁判長)で開かれた。検察側は「身勝手な動機」として女に懲役4年を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は28日。
論告で検察側は、被告が犯行時、思うように育児ができずに抑うつ状態になっていたと説明。無理心中をしようとした動機について「一人で自殺することも考えたが、娘が他人に育てられて私の顔を忘れてしまうのが嫌だった」と供述していることについて、「身勝手な動機で非難に値する」と指摘した。
弁護側は被告が育児や夫との関係にストレスを感じていることに加え、軽度の知的障害も影響して自殺願望を抱く典型的な周産期うつ病だったと説明。事件後も精神状態が不安定で、入院による治療が必要として執行猶予付きの判決を求めた。
最終意見陳述で女は「娘に悲痛な思いをさせてしまった。謝っても謝り切れない」と述べた。
起訴状などによると、女は1月19日、熊谷市内の利根川において、殺意を持って、長女である長女=当時5カ月=を両手で抱きかかえて入水させ、溺死させて殺害したとされる。県警が保護責任者遺棄の疑いで逮捕し、さいたま地検が殺人罪で起訴した。逮捕後の精神鑑定で、女は犯行当時、心神耗弱状態だったと診断された。
■夫は新たな生活を提案、妻「引き離そうとしているのでは」(以下、初公判時の記事)
生後5カ月の長女を溺死させたとして、殺人の罪に問われた、熊谷市の無職の女(30)の裁判員裁判の初公判が20日、さいたま地裁(江見健一裁判長)で開かれた。女は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述などで、女が長女を出産した直後に不眠症と診断され、昨年10月にはうつ病と診断されたと説明した。同月から市内の実家で両親と生活をしていたが、夫は自身の実家のある福島県での生活を提案。女は「夫が私を入院させ、長女を引き離そうとしているのではないか」と思うようになり、「長女と引き離されるなら一緒に死のうと考えた」ことなどから犯行に及んだとした。
弁護側は、女が出産前は子どもができて母になる喜びを感じていたものの、育児への不安から不眠症やうつ病を発症したと説明。夫との関係がうまくいかなくなったことなどから、死ぬしかないと思ったことが原因とした。
女は被告人質問で、「どんな精神状態だとしても絶対に許されない。一番苦しい思いを与えてしまったのは長女で、謝っても謝り切れない」と述べた。
起訴状などによると、女は今年1月19日、熊谷市内の利根川で、殺意を持って、長女を両手で抱きかかえて入水させ、溺死させて殺害したとされる。
熊谷署が保護責任者遺棄の疑いで逮捕し、さいたま地検が殺人罪で起訴した。逮捕後の精神鑑定で、女は犯行当時、心神耗弱状態だったと診断された。










