すごい臭い…道路陥没、不安の声「10万円の補償で何ができるか」 近くで会社経営する男性が苦言「窓が開けられず灼熱地獄。従業員を何十人と抱えている」…席を立つと、声をかけに行った知事
1月28日に八潮市の県道で発生した陥没事故から間もなく7カ月。復旧に向けた工事が続く中、県は22日、近隣の住民や事業者に対する金銭補償についての説明会を実施した。説明会は22~24日の3日間に計8回行われる予定で、質疑応答では事業者に対する補償の金額や、健康面への不安を訴える意見が出た。
陥没現場の近くで倉庫業を経営する男性は「臭いが本当にすごい。どんなに規模が大きくても10万円は一律なのか。窓が開けられず、灼熱(しゃくねつ)地獄で仕事をしている。10万円の補償をいただいて何ができるかと考えてしまう」と苦言を呈した。
説明会終了後、席を立った男性に声をかけた大野知事はその後の取材に対し、「相談をお受けして、事情に応じて適切に対応をしっかりとさせていただきますと私から改めて申し上げた」と、男性とのやりとりを明かした。
帰途についた男性は「かかる費用はそれぞれ違う。県の皆さんも大変な思いをしているので、協力できるところは協力するスタイルを変えるつもりはないが、こちらも従業員を何十人と抱えている」と譲れない思いを語った。
陥没箇所の目の前でスナック兼喫茶店を営んでいるという女性は黒く変色した銅製のポットを持参。「害がないといっても、こんな色になる。磨いて奇麗になっても、少し(室内に)置いておいたらこうなる。これでコーヒーが飲みたいですか?とても心配です」と健康面への不安を口にした。
大野知事は「銅やメッキなどの腐食については、専門機関に因果関係の分析をお願いしている。仮に硫化水素といった場合についても、毎日複数の箇所で計測をさせていただいている。少なくとも現時点でわれわれが得ている知見においては、健康被害が出るような、もしくは何らかの影響があるような数値は一度も出たことがない」と述べた。










