埼玉新聞

 

道路陥没…1世帯に3万円を補償する案を示す さらに世帯人員に応じ1人2万円も補償、単身世帯は5万円 事業者は一律10万円 陥没箇所から200メートル内が対象 悪臭で窓が開けられず、多くかかった電気代も補償

  • 補償説明会の冒頭であいさつする大野元裕知事=22日午後、八潮市鶴ケ曽根のやしお生涯楽習館

    補償説明会の冒頭であいさつする大野元裕知事=22日午後、八潮市鶴ケ曽根のやしお生涯楽習館

  • 補償説明会の冒頭であいさつする大野元裕知事=22日午後、八潮市鶴ケ曽根のやしお生涯楽習館

 八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は22日、市内で補償説明会を開いた。陥没箇所から約200メートルの範囲内の住民や事業者を対象に、1世帯当たり3万円、世帯人員に応じ1人につき2万円を補償し、事業者には一律10万円を補償する考えを示した。大野元裕知事は「(金額は)住民へのヒアリングなどから総合的に勘案した。原因に関しては今回切り離して、迅速に寄り添った対応をするべきとの判断に至った」と述べた。

 県は事故現場の近隣住民、事業者を対象に、22~24日の3日間、説明会を計8回開催する。22日午後に行われた1回目の説明会が報道陣に公開され、個人事業主・法人計21事業者が参加した。

 説明会で県が提示した補償案は、休業や売り上げ減少に対する営業補償や建物などの損傷に係る家屋補償とは別に、「その他の補償」として、1世帯当たり3万円、世帯人員に応じ1人につき2万円を補償する。単身世帯なら5万円、3人世帯は9万円となる。事業者には一律10万円を補償する。

 県下水道局によると、「その他の補償」は今回限りで、対象は計509世帯・事業者。「経験のない事象に対処するために実施した土木的措置や復旧工事において、周囲の住民生活や事業活動への支障や負担を、長期間かつ多岐にわたりもたらした」と補償の趣旨を示した。

 下水の悪臭で窓を開けられなかったり、洗濯物が干せず、室内エアコンや洗濯乾燥機、空気清浄・脱臭機を通常よりも稼働させて生じた電気代についても、前年同月との比較で増加額を補償する。

 緊急的な交通規制を長期・大規模に行ったことで、休業もしくは売り上げが減少した事業者に対する営業補償は、事故前後の売上総利益の差額を個別に補償。かかり増し経費についても因果関係を確認した上で補償する。

 陥没箇所からおおむね200メートル付近までに居住する世帯および所在する事業者を対象とした脱臭機の配布や、年内完成を目標としている破損管の仮復旧、年度内完成を目標としている県道の暫定2車線供用など、復旧工事の工程についても説明が行われた。
 

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