埼玉新聞

 

上尾、伊奈から全国に発信…コミュニティラジオ「あげおエフエム」開局 2019年の台風の水害がきっかけ…資金不足で停滞も、市民有志が準備 周波数89・1にかけ8月9日午後1時に放送開始

  • 午前6~同9時のMCを務める森代表取締役(左)とテーマソング制作なども担当する沼田ディレクター=上尾市緑丘のスタジオ

    午前6~同9時のMCを務める森代表取締役(左)とテーマソング制作なども担当する沼田ディレクター=上尾市緑丘のスタジオ

  • 午前6~同9時のMCを務める森代表取締役(左)とテーマソング制作なども担当する沼田ディレクター=上尾市緑丘のスタジオ

 上尾・伊奈地域を放送エリアとするコミュニティFMラジオ放送局「あげおエフエム」(あいラジ)が9日、開局する。スタジオは上尾市緑丘のP・A・P・A上尾ショッピングアヴェニューの1階で、周波数は89・1メガヘルツ。毎日午前5時~深夜の午前1時まで20時間、生放送を中心にした独自番組を放送する。深夜帯の番組もあり、スタッフは「上尾、伊奈から全国に向けて発信していきたい」と意気込む。

 2019年の台風19号による水害をきっかけに市民有志が準備を進めてきた。災害時に地域の被害状況や避難所の情報などをリアルタイムで伝えるラジオ放送を目指し、上尾コミュニティーFM放送局設立準備会を発足。資金不足などで停滞した時期もあったが、22年5月に株式会社を設立。翌年には愛称を「あいラジ」とし、24年12月に予備免許を取得した。

 周波数89・1にかけて8月9日午後1時に放送を開始する。代表取締役の森麻衣さん(27)は「この1年は今までと違うスピード感で動いた。無事に開局できる喜びでいっぱい」とうれしそうに話す。運営スタッフは、ほとんどがボランティアで19歳から70代までの約70人。上尾、伊奈のほか、さいたま市など近隣からも参加している。

 平時の放送内容は、地域の生活や健康の情報、音楽などを月~木曜日は朝、昼、夕方と生放送のワイド番組で提供。金曜日は防災士による防災情報や週末お出かけ情報、土日は再放送と録音番組も含めスポーツ、アニメ、サブカルチャーなどを発信する。パーソナリティーにはお笑い芸人や元アイドルなども予定されている。

 番組制作を担当するコミュニケーションディレクターの沼田裕進さん(60)は「まちのメディアとして面白いものにしたい」と意欲を見せている。ボランティア、スポンサーも募集中。問い合わせは、あいラジ(電話048・606・3318)へ。

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 コミュニティラジオ局は1992年、地域に密着した情報を提供することを目的に制度化。95年の阪神淡路大震災を機に開局数が増え、日本コミュニティ放送協会(JCBA)に加盟しているのは2024年12月現在、全国で340局以上。県内では熊谷市や入間市などで10局以上開設している。

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