国内2位…鳩山で最高気温41・4度 誇りとは思わないが…猛暑のニュースに連日“鳩山”の名前 県内各地で気温が上昇 今年初、熊谷の大温度計に40度超の表示「もはや珍しいことではない」
暖かい空気が入った影響で、5日は県内の各地で気温が上昇し、鳩山町で国内観測史上2位の最高気温41・4度となった。県内の観測地点8カ所のうち、5カ所で各地点の観測史上最高を記録。4カ所で40度以上に達した。県内で気温40度が観測されるのは、この夏初めてとなる。
鳩山町に次いで高かったのは熊谷市の40・7度で、今年最高気温となった。秩父市と所沢市の40度、久喜市の39・9度、さいたま市の39・7度は、いずれも各地点の観測史上最高。寄居町も8月の観測史上最高となる39・8度まで上がり、38・4度の越谷市も今年最高の気温だった。
熊谷地方気象台によると、日本付近は太平洋高気圧とチベット高気圧に覆われて晴れ、関東地方は日本海にある前線に向かって西風が吹いたため、山を越えて高温になった風が関東平野に吹き下ろす「フェーン現象」が発生。県内各地でも、記録的な暑さになったとみられるという。
同気象台によると、6日以降は40度まで上がる予想は出ていないものの、熊谷市では8日までは連日37~38度になる見通しで、県内は危険な暑さが続くと予想。同気象台は「ここしばらくの間は、熱中症に厳重な警戒をしてほしい」と呼びかけている。
■連日酷暑「こたえます」
最高気温が国内歴代2位、県内では熊谷市を抜いて41・4度を記録した鳩山町。酷暑を避けるように街の通りでは人影がまばらだった。
スーパーマーケットに買い物に出ていた男性(77)は、連日の猛暑に「体にこたえます」と汗を拭う。熱中症対策として、自宅では常にクーラーをかけ、睡眠と水分を十分に取るように気を付けているという。連日、猛暑のニュースでは鳩山町の名前が出てくる。「誇りとは思わないけど、注目されるのは悪くないかな」
同町松ケ丘の複合交流施設「鳩山町コミュニティ・マルシェ」では、ランチを食べた後にしばらく施設内で涼んでいく人も多いという。スタッフは「暑いからといってずっと家にいても気分がめいってしまう。無理をせず、近所の施設も活用してほしい」と話していた。
同町では、町名にちなんで8月10日の「鳩(はと)の日」にコミュニティ・マルシェと上熊井農産物直売所でかき氷を無料配布。10日までの町内の気温が40度を超えた日数に合わせ、配布数を追加するという。
■大温度計に40度 熊谷、今季初
熊谷市仲町の八木橋百貨店に夏季限定で設置される大温度計には、今年初めて40度を超える気温が表示された。午後2時の気温40・2度を掲示したが、熊谷地方気象台の発表は40・5度まで上昇。「本日の最高気温」として追加で貼り付けた。経営戦略主幹の宮地豊さん(63)は「40度になるのは、もはや珍しいことではなくなった。夏は店内に置くベンチを増やしたりして、気軽に涼んでいただけるように工夫している」と言う。同市の最高気温はさらに上がり、40・7度に達した。
同市宮町の高城神社では、昨年から熊谷地方気象台の予想最高気温を書き入れた「夏参り御朱印」を授与している。今季は初めて、「40℃」の文字が記された御朱印を出した。同神社の神職は「40度の御朱印を目的に訪れた参拝者もいる」と話していた。










