埼玉新聞

 

首都高、東北道を結ぶ“2ルート案”提示 埼玉南部の東西交通を強化へ 見沼IC―東北道を最短で結ぶ“北側ルート案”、支障物件が少ない“南側ルート案”の特徴詳細 東京一極集中から対流型首都圏へ 今後の予定は

  • 核都市広域幹線道路の地元検討会第2回が開催され、協議が行われた=7日午後、さいたま市役所

    核都市広域幹線道路の地元検討会第2回が開催され、協議が行われた=7日午後、さいたま市役所

  • 核都市広域幹線道路の地元検討会第2回が開催され、協議が行われた=7日午後、さいたま市役所

    核都市広域幹線道路の地元検討会の様子

  • 核都市広域幹線道路の地元検討会第2回が開催され、協議が行われた=7日午後、さいたま市役所
  • 核都市広域幹線道路の地元検討会第2回が開催され、協議が行われた=7日午後、さいたま市役所

 県南部の慢性的な道路混雑を改善し、東西方向の交通容量を強化する「核都市広域幹線道路」の地元検討会(委員長・久保田尚埼玉大学名誉教授)が4日、さいたま市内で開かれ、国交省関東地方整備局などによって首都高速埼玉新都心線から東北道を結ぶ「北側ルート」と「南側ルート」の2案が初めて示された。今後は8~11月にかけて住民アンケート(郵送など)や区役所での資料展示型説明会、見沼田んぼ関係者からのヒアリングを行い、集約した意見を評価項目に反映させ、概略計画案(時期未定)を取りまとめる。

 2021年度から議論を重ねてきた。検討会は冒頭を除いて非公開で行われ、計画する路線を500メートルの幅で図示したルート帯案と、車道幅員25・5メートルの主たる構造案が示された。久保田委員長は「これまでは新しい道路の役割・意義を議論し、ルートの複数案が示された。きょう以降はどういう形で評価して、決めていくか議論いただくフェーズに入っていく」と述べた。

 北側ルート案は、埼玉新都心線のさいたま見沼インターチェンジ(IC)と東北道を最短で結ぶルート帯。見沼田んぼの通過延長は短く、自然環境や景観、文化財などへの影響が抑えられるものの、大宮共立病院や浦和競馬・野田トレーニングセンターが立地する地域を通過するため、沿道家屋や周辺施設などへの影響は大きい。

 南側ルート案は、住宅地を極力回避した支障物件が少ないルート帯。住居環境への影響を抑えられる半面、営農環境や自然環境などへの影響が大きく、南部配水場が立地する地域を通過するため、送水管の仮移設が必要となる。事業費は北側ルート案が2600億~2700億円、南側ルート案が2800億~2900億円を見込んでいる。

 国交省関東地方整備局大宮国道事務所によると、委員からは「高速バスなど目的地にたどり着ける公共交通網との連携」「緑との協調、景観への配慮をプラスに捉え、環境保全、学習の場としての取り組み」「関心が薄い層にも分かりやすい資料を作り、めりはりをつけたPR活動」などの意見が出たという。

 同事務所の香田晃宏副所長は「自然に配慮しながら、地域の主要な都市をシームレスに結び、東京一極集中型から対流型首都圏への強化に寄与していく重要な道路」と計画検討の意義を述べた。

■実現へ大きな一歩 大野元裕知事の話

 初めてルート帯案が公表されたことは大変喜ばしい限りであり、核都市広域幹線道路の実現に向けて大きな一歩となったと考える。想定ルート周辺に延伸が計画されている地下鉄7号線は、核都市広域幹線道路と事業の相乗効果が期待されることから、県としても引き続き核都市広域幹線道路ならびに地下鉄7号線延伸の推進を図っていきたい。
 

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