埼玉新聞

 

34億1千万円も…埼玉県内の特殊詐欺、上半期の被害が5年連続で増加 半数が警察装う手口、被害者の年齢は低い傾向に 「簡単にお金が稼げる」と見せかける手口も急増 県警、注意を呼びかけ

  • 【警察】埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

  • 【警察】埼玉県警察本部=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 埼玉県警が今年1~6月の上半期に認知した特殊詐欺被害(暫定値)は前年同期比203件増の876件で、5年連続で増加したことが県警のまとめで分かった。被害金額は約34億1千万円で、半数近くを警察官をかたる詐欺が占めた。「逮捕状が出ている」などと不安をあおって現金をだまし取る手口が増加しており、県警組織犯罪総合対策本部は「警察が電話や交流サイト(SNS)で逮捕状の話をすることは決してない」と注意を呼びかけている。

 同本部によると、オレオレ詐欺は125件増の368件だった。特に警察官をかたる詐欺が前年同期比約6・5倍の175件と全体の件数を押し上げる一因となった。警察官をかたる人物から「容疑がかかっている」などと連絡があり、逮捕状を提示した上で「身の潔白を証明するため」「紙幣番号を確認するため」などといった名目で現金を振り込ませる手口が主流。警察官をかたった詐欺の被害者は特殊詐欺の中でも年齢が低い傾向にあり、6割以上が携帯電話にかかってきていた。

 架空料金請求は136件で、うち57件が副業詐欺。ネット上で簡単にお金が稼げるように見せかけ、利益を引き出す際の手数料名目でだまし取る手口も急増している。

 SNSを介した投資詐欺や恋愛感情に乗じたロマンス詐欺の認知件数は35件増の144件だったが、被害金額は2億9798万円減の14億4318万円。昨年、県警と金融機関が協定を結び、初期段階で投資詐欺を見抜くことができるようになった。

 摘発件数は199件増の400件で、検挙率も15・8ポイント上昇し、45・7%となった。他県警との連携を強化した「特殊詐欺連合捜査室」を昨年4月から設置したことが検挙率増に結び付いたと同本部は分析している。

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