「白紙?」「今後は?」 入札不調後、初の説明会 さいたま・武蔵浦和の義務教育学校 保護者から質問相次ぐ 入札が2回連続で不調→2028年4月の開校は断念
さいたま市がJR武蔵浦和駅周辺での設置を計画している、小中一貫の義務教育学校。建設工事の入札が2回連続で不調に終わり、予定していた2028年4月の開校を断念して以降、初の説明会が13日、南区の市立内谷中学校体育館で開かれた。「白紙になることはないのか」「今後のスケジュールは」―。市教育委員会に対し、参加した関係する小中6校(沼影小、浦和大里小、浦和別所小、西浦和小、辻小、内谷中)の保護者らから質問が相次ぎ、不安を口にする人の姿も見られた。
午前10時に始まった説明会には保護者ら66人が参加。冒頭で竹居秀子教育長が開校の遅れを謝罪した後、市教委の担当者が現状について説明した。質疑応答では終了間際まで、開校の可否や今後に関する質問が続いた。
小学生の母親は「子どもが新学校を楽しみにしている」とした上で、「仮に1年後の29年4月の開校を想定するのであれば、いつまでに入札公告をしないといけないのか。どういうスケジュール感で考えているのか聞きたい」と質問。市教委は適正な工期について、事業者にアンケート調査を実施中として、「分析や対応策を踏まえた上で、入札公告を速やかに行いたい」と述べるにとどめた。
計画白紙の可能性を問う質問に対しては「着実に準備を進めていきたい」と答え、暫定的な学区変更について、担当者は「過大規模校、大規模校の解消にはならない。この地区全体を考えると本来の計画を進めていく必要がある」との見解を示した。
4歳の長男を連れて参加した南区の男性会社員(42)は説明会終了後、「計画がうまくいかない可能性も高いという印象を受けた。その場合の学区調整なども、もう少し検討できるのでは」と指摘。長男の小学校入学まで残り3年を切る中、「入学後、別の学校に移るとなると影響も大きい。小学校に入る前にはある程度、決まっていてほしい」と不安も口にした。
入札を巡っては2月に予定価格約149億円で募集したが、参加申請なしで不調に。開校スケジュールに間に合わせるため、4月15日に再公告。設計価格を約14億円(10%)増額する約163億円に、工期も2週間延長したほか、施工実績や総合評定値の要件を緩和したものの、入札参加申請があった2者がいずれも開札日の5月29日までに辞退した。建設資材や人件費の高騰、人手不足などが不調の原因とみられている。
市議会6月定例会では、各会派の代表質問で入札不調の影響などに関する質疑が相次いだ。竹居教育長は、28年4月の開校が「見込めなくなった」として、児童生徒や保護者らに謝罪。その上で再度の入札に向け、事業者に対するヒアリング結果などを踏まえて進めていく意向で「入札、発注を含めた開校までのスケジュールをできる限り早く示したい」と答弁していた。










