日本一に輝いた皆野のピザ店主、ピザ職人の世界大会へ 生地には小鹿野の名水を使用、都内で開催の大会に初出場で1位に 皆野産食材を使い、町民に愛される味で勝負「頂点を目指す」
9月にイタリア・ローマで開催される、ピザ職人の世界大会「PIZZA WORLD CUP2025」への出場を決めた、皆野町金崎のピザ店「PIZZA AROMA(ピッツァ アロマ)」店主の葭田佑介さん(40)の激励会が9日、同店で行われた。葭田さんは「世界大会では、町民が愛してくれている味で勝負し、頂点を目指す」と意気込みを語った。
葭田さんは、5月に都内で開催された「PIZZA МASTER CUP」(ナポリピッツァ協会アプティエール主催)に初出場し、エントリーしたピザ職人33人の中から、マルゲリータ部門1位に輝き、世界大会出場の切符を手にした。
同店のマルゲリータ(税込み1400円)は、独自にブレンドした4種類の国産小麦を使用し、小鹿野町の名水「毘沙門水」で生地作りを行っている。「大会でも国産にこだわり、いつも通りのピザで勝負したことで、高評価をいただけた」と葭田さんは5月の大会を振り返る。
皆野町出身の葭田さんは、県立秩父農工科学高校卒業後、県内の印刷会社に勤めていたが、子どもの頃からの料理人の夢を諦めきれず、28歳のときに転職。都内と横浜市内の有名ピザ店や、本場イタリアで技術を磨いた。
「地元のみんなに、日本とイタリアの良いとこ取りのピザを提供したい」と、2022年に秩父を拠点に、薪窯(まきがま)を積んだキッチンカーでピザ販売を開始。24年5月に皆野町内の空き倉庫を改装し、念願の店舗アロマをオープンさせた。
激励会に出席した黒沢栄則町長は「葭田さんとは地元消防団の頃からの長い付き合いだが、ピザ職人の道を着実に進み、気が付けば日本一になっていて、とても誇らしい。商売を通じて町に元気を与えてくれて感謝している」と称えた。
9月30日から始まる世界大会で、葭田さんはマルゲリータやデザートピザなど計5部門に出場。デザートピザは、皆野町産の食材を使って勝負する予定だ。約10日間の渡航・滞在費、店舗の営業損失費などを補うために現在、賛同者に協力金を募る「クラウドファンディング」を実施している。
葭田さんは「何もかもが初めての挑戦になるが、気を引き締めてさらにおいしいピザを追求し、地元に笑顔を届けたい」と話した。










