圧倒される優美さ…和菓子で花や鳥を表現 加須の菓子職人、全国菓子大博覧会に出品 業界最大の祭典で最高賞に次ぐ賞に輝く 実物大で5房、花びら千枚のフジ…玉敷神社の大藤を参考に
2025/07/04/07:05
加須市柳生の菓子職人、関根雅史さん(38)が制作した工芸菓子が、北海道旭川市で開かれた菓子業界最大の祭典「全国菓子大博覧会」で農林水産大臣賞を受賞した。作品名は「山光澄我心」。和菓子で花や鳥を精巧でリアルに表現した幅と高さ約1メートル50センチの大作。フジやモクレン、ヤマブキの優美さに圧倒される。
大博覧会は28回目。4年に1度の菓子博で、5月30日から6月15日まで、旭川市の旭川大雪アリーナほかで開催。北海道菓子工業組合などが主催した。菓子博の目玉、工芸菓子には全国から約90点が出品され、関根さんの作品が名誉総裁賞に次ぐ賞に輝いた。
関根さんは、東武鉄道・柳生駅近くにある菓子店「御菓子司せきね」の3代目店主。25歳のころから工芸菓子の制作に打ち込むようになり、2017年、31歳の時、「全国菓子研究団体連合会技術コンテスト」で最高賞のグランプリを獲得するなどしている。
関根さんのこだわりは、細部までリアルに作ること。山光澄我心は、山の景色を見ていると、心が澄み渡ってくるという意味。和菓子の主原料の白あん、米の粉、砂糖などを使って、フジ、モクレン、ヤマブキ、ツツジを作り、つがいのオオルリを配した。
「作品の構想に1年。制作に6カ月を要した。店の商品作りを終えてからの制作で、夜の10時半ごろから、午前3時、4時ごろまでかけた。フジは玉敷神社の大藤を参考に実物大で5房作った。花びらは約千枚。精巧さを心がけた」などと振り返った。
そして、「農林水産大臣賞を頂けて大変ありがたいが、目指しているのは最高賞の名誉総裁賞。4年後の菓子博で名誉総裁賞が取れるように、さらに精進したい」と新たな意欲を見せていた。










