埼玉新聞

 

小4死亡、2台以上の車がはねたか…母が逃げた運転手を探す 現場近くの住人、知人の印刷会社社長に事件を伝える…情報提供を求めるチラシ、無料で大量印刷2回 新聞販売店も無償で折り込む 母「感謝しかない」

  • 完成したチラシなどを小関代里子さん(右)に手渡す野坂弘幸社長=12日、本庄市寿の文林堂印刷所

    完成したチラシなどを小関代里子さん(右)に手渡す野坂弘幸社長=12日、本庄市寿の文林堂印刷所

  • 新しいデザインのチラシ

    新しいデザインのチラシ

  • 完成したチラシなどを小関代里子さん(右)に手渡す野坂弘幸社長=12日、本庄市寿の文林堂印刷所
  • 新しいデザインのチラシ

 熊谷市で小学校4年生の小関孝徳さん=当時(10)=が車両にひき逃げされ死亡した未解決の事件で、本庄市寿の印刷会社「文林堂印刷所」が情報提供を呼びかけるチラシ5万枚などを無料で印刷。12日、同社で小関さんの母代里子さんに引き渡した。配布には、熊谷市内の新聞販売店も協力。各紙の販売店は22日の朝刊と一緒に無償で折り込み、市内全域のほか深谷市と行田市の一部に配る。

 事故は2009年9月30日午後6時50分ごろ、熊谷市本石1丁目の市道で発生した。小関さんは自転車で帰宅する途中、車両にはねられて死亡。県警は2台以上の車が関与した可能性があるとして、罪名を時効が20年に延長される危険運転致死罪に切り替えて捜査を続けているが、残り4年4カ月を切っている。

 文林堂が協力するのは、チラシ4万枚を印刷した20年以来、5年ぶりとなる。代里子さんと相談しながら、デザインを修正。「今必要なのはあなたの情報です!」との言葉を入れたほか、現場の状況を説明した図をより詳しくするなどの見直しを行った。

 同社の野坂弘幸社長(64)は「現場近くに住む知人から事故のことを聞き、協力したいと思ったのがきっかけ。逃げ得をさせないためにも、再びチラシを作りたいと申し出た」と言う。今回はA4判のチラシに加えて、市内の公共施設に掲示するB2判ポスター100枚も作製した。

 関係車両や目撃者が外国人の場合も想定。今回のデザインは、熊谷市周辺に住む外国人で使う人が多いポルトガル語版の印刷も計画している。代里子さんは「再びチラシを作っていただき、感謝しかない。犯人に近づけると信じている」と願いを託した。

 情報は熊谷署(電話048・526・0110)または、代里子さんのブログ「《未解決》熊谷市小4男児死亡ひき逃げ事件!」( https://ameblo.jp/kosekitakanori/ )へ。
 

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