埼玉新聞

 

女性のうめき声、用水路から 近所の女性が転落…発見した女性、息子や親戚と慎重に引き上げ救出 転落した女性は首から下が水に漬かり、身動き取れない状態 命の危険も 男女3人の的確な判断と行動に称賛

  • 人命救助に貢献したとして感謝状を贈呈された(右から)岸繁男さん、山崎拓也さん、山崎八重子さん、佐藤則明署長

    人命救助に貢献したとして感謝状を贈呈された(右から)岸繁男さん、山崎拓也さん、山崎八重子さん、佐藤則明署長=4日午後、幸手署

  • 人命救助に貢献したとして感謝状を贈呈された(右から)岸繁男さん、山崎拓也さん、山崎八重子さん、佐藤則明署長

 幸手市惣新田で用水路に転落した高齢女性を協力して引き上げ救出したとして、幸手署は4日、近所に住む山崎八重子さん(66)と長男の拓也さん(37)、親戚の岸繁男さん(80)に感謝状を贈呈した。的確な判断と勇気ある行動で命を救った3人は「女性が助かって安心した」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 5月14日午後5時半ごろ、自宅にいた山崎さんが女性のうめき声に気付いて外に出たところ、裏手にある用水路(幅約50センチ、水深約30センチ)に近所の80代女性が転落しているのを発見した。

 女性は首から下が水に漬かっていて身動きが取れず、1人で対処するのは難しいと判断。在宅していた拓也さんと、岸さんに応援を要請した。

 「骨折しているかもしれない。急いで助けないと」。拓也さんは用水路に入って女性の脚を持ち上げ、岸さんは地上から背中を抱え、落とさないよう慎重に引き上げた。山崎さんは119番し、「寒い、寒い」と訴える女性のために自宅からバスタオルを持参。「大丈夫だよ」と優しく声をかけて励ました。

 救急搬送された女性は命に別条なく、後日、家族がお礼に訪れた。「助かって安心した。今後、もし同じような場面に遭遇したら、今回の経験を生かしたい」と拓也さん。岸さんも「貴重な体験をした。これからも頑張りたい」と話した。

 用水路は草むらの中にあり、女性の発見が遅れていたら、命の危険があった。3人に感謝状を贈呈した佐藤則明署長は「皆さんの的確な判断と勇気ある行動のおかげで、1人の命が救われた。ありがとうございます」とたたえた。

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