埼玉新聞

 

レンガの窯の中で飲食店 埼玉・深谷 国の重要文化財「ホフマン輪窯」 市が事業者を募集 レンガを焼いた窯の中に飲食スペースが設けられるのは全国で初めて 2027年度中のオープン目指す

  • ホフマン輪窯6号窯を見学する人たち=2024年6月30日、深谷市上敷免

    ホフマン輪窯6号窯を見学する人たち=2024年6月30日、深谷市上敷免

  • ホフマン輪窯6号窯を見学する人たち=2024年6月30日、深谷市上敷免

 深谷市は27日、国重要文化財に指定されている同市上敷免の旧煉瓦(れんが)製造施設「ホフマン輪窯6号窯」などで飲食店運営事業者選定プロポーザルを実施すると発表した。市によると、2027年度中のオープンを目指していて、レンガを焼いた窯の中に飲食スペースが設けられるのは全国で初めてという。

 ホフマン輪窯6号窯をはじめとする旧煉瓦製造施設は同市出身の実業家渋沢栄一が中心となり、日本煉瓦製造株式会社として市で操業を始め、東京駅や迎賓館などにレンガを供給し、日本の近代化を支えた日本初の大規模な機械式レンガ工場。市は文化財の価値を高めるとともに、栄一関連施設と連携した地域活性化を促進するため、施設の保存と活用に取り組んでいて、5月にはホフマン輪窯の保存修理工事が終了する予定。

 今後はホフマン輪窯の見学環境などの整備や、旧煉瓦製造施設管理活用棟(仮称)の建設を進める。施設は飲食事業エリアを設ける予定で、飲食事業エリアで飲食店を運営する事業者を募集し、公募型プロポーザル形式で選定する。「日本の歴史をつくった文化財で明治の文化を追体験できる『食と憩いの場』」をコンセプトに、重要文化財の窯の中という非日常的空間で食事をしながら、思い出になる時間を過ごせる飲食施設を運営する事業者を選定していく。

 実施要領などは27日から配布を開始し、参加申し込み期間は8月1日から11月28日まで。一次審査(書類審査)は12月15日、二次審査は来年1月30日、契約締結は来年2月ごろを予定している。

 問い合わせは、市文化振興課(電話048・577・4501)へ。

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