埼玉新聞

 

埼玉からはヤオコーが最多の9944トン カインズ、富士薬品、ベルク、酒商増田屋も申し込み 備蓄米の随意契約 埼玉からは5社が申請 「コメの高騰、消費者の暮らし圧迫」「安く多くの方に提供できる手段があれば今後も活用したい」

  • 【企業】ヤオコー=看板、ロゴ

    備蓄米申し込み、埼玉からはヤオコーが最多の9944トン

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 小泉進次郎農相は27日、備蓄米放出の随意契約に30社を超える事業者から計約15万トンの申し込みがあったと明らかにした。

 随意契約申し込みについて県内では、富士薬品(さいたま市大宮区)が1800トン、ホームセンターの「カインズ」(本庄市)が5千トン、食品スーパーの「ベルク」(鶴ケ島市)が1200トン、ヤオコー(川越市)が9944トン、県西部で酒販店6店舗を運営する「酒商増田屋」(狭山市)が60トン分と現時点で5社が申請した。

 カインズでは「長く続く物価高の中で、特にコメの高騰は消費者の暮らしを圧迫している。安さで暮らしを支えることをモットーとしているので、より安く多くの方に提供できる手段があれば今後も活用したい」と話す。

 連日大勢の買い物客でにぎわう、さいたま市桜区のスーパー「フレッシュ市場マルフク中浦和本店」では秋田県産のブランド米「あきたこまち」5キロを4622円(税込み)で販売。従来、秋田県内と所沢市内の卸売業者から安定的に新米4銘柄を仕入れてきたが、現在取り扱うのは「あきたこまち」1種類のみ。1週間に40袋ほど売れるが、福島晶彦社長(59)は「在庫不足で来月からは回せないと言われている。入荷可能なほかのコメに切り替えるしかない」と嘆く。

 妻と2人で年金暮らしという70代男性は「近所のお店をいくつか回って安かったので購入した。小泉大臣には期待するけど、備蓄米だけじゃなく新米が安くならなきゃね。コストが合わないという生産者の話も聞くので、総合的に農業政策を進めてほしい」と話した。

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