埼玉新聞

 

「大宮盆栽」を次世代へ さいたま市の大宮盆栽村、開村100周年記念企画 洋菓子メーカー「ヨックモック」青山本店で展示とワークショップ

  • カフェに展示されている「真柏」を見学する子どもたち=17日、東京都港区南青山のヨックモック青山本店

    カフェに展示されている「真柏」を見学する子どもたち=17日、東京都港区南青山のヨックモック青山本店

  • 盆栽師の広田敢太さんが子どもたちと一緒に、盆栽を楽しく手作りした

    盆栽師の広田敢太さんが子どもたちと一緒に、盆栽を楽しく手作りした

  • カフェに展示されている「真柏」を見学する子どもたち=17日、東京都港区南青山のヨックモック青山本店
  • 盆栽師の広田敢太さんが子どもたちと一緒に、盆栽を楽しく手作りした

 さいたま市の伝統産業「大宮盆栽」が、洋菓子メーカー「ヨックモック」の青山本店(東京都港区)に展示されている。大宮盆栽村の開村100周年を記念した企画で、昨年に続いて2回目。17日には盆栽のワークショップが同店で開かれ、近隣の小学1~4年生の男女10人が参加した。伝統文化の盆栽に触れた子どもたちは「楽しかった」と話し、自ら作った盆栽を自宅で大切に育てていく。

 盆栽園「藤樹園」(さいたま市北区盆栽町)3代目園主の盆栽師広田敢太さん(26)が講師を務めた。「真柏」「ヒノキ」「モミジ」など5種類の木から、子どもたちが好きな木と器を選ぶ。盆栽は自然を見立てて、「小さな器に生きた植物」を育てる日本の伝統文化。広田さんは分かりやすい言葉で盆栽の魅力を伝え、子どもたちは盆栽作りを一生懸命に取り組んでいた。

 小4の澄川はるかさん(9)は、弟で小1の賢之介さん(6)と参加した。学童保育で盆栽に触れる機会があり、小さくても器の中で生きている盆栽に魅力を感じて、「自分で作りたい」と希望した。樹齢約250年の真柏が今回の企画で、同店のカフェに展示されている。枯れた部分がありながら生き続けている貴重な盆栽。はるかさんは間近に見て、「不思議だけど、力がある」と興味津々だった。

 はるかさんはワークショップで、真柏を選んだ。広田さんの指導を受けながら、土入れや剪定(せんてい)を体験。「すごくどきどきしたけど、楽しく作れた」と笑顔。賢之介さんも真柏を選び「楽しかった」と感想を語り、はるかさんは水やりをして「2人で育てて比べてみたい」と話した。

 開村100年を迎えた大宮盆栽村は、後継者不足が大きな課題となっている。広田さんは「次の世代につなげるため、盆栽という文化をまず知ってもらいたい」とワークショップの意義を語る。子どもたちが大人になり、「友人や世界に盆栽文化を発信してもらえることが私たちの財産。実際に体験することが何よりの学びになる」と期待した。

 展示は大宮盆栽村の6園が協力し、6月11日まで実施。同店のカフェなどに、各園が厳選した6点ずつを毎週金曜日に展示替えする。大宮盆栽村100周年の動画を放映したり、抹茶を使用した期間限定のスイーツも提供する。

 同社はロール形クッキーなどの商品を世界に広く知ってもらおうと、世界中に愛好家がいる盆栽に着目。昨年初めて、大宮盆栽とのコラボレーションが実現した。

 問い合わせは、さいたま市観光国際課(電話048・829・1236)へ。

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