上尾市出身で現在、ガールズケイリンで活躍中の太田りゆ選手（30）＝ブリヂストン所属＝が22日、同市の「キラリ☆あげおPR大使」に就任、市役所での委嘱式に臨んだ。畠山稔市長からPR大使のたすきを掛けられた太田選手は「プロデビューして市役所に来た時に『私も頑張ったらPR大使になれるかな』『オリンピックに出られたらだね』と母と話していた。今日は思い描いて口にしたことが現実になった日」と話した。

　キラリ☆あげおPR大使は、市にゆかりのある著名人（スポーツ、芸能、文化芸術など）にそれぞれの活動の中で上尾市の魅力を広く市内外に発信して、認知度の向上を図ることを目的に市が任命している。今年3月、お笑い芸人のハライチが仲間入りしたほか、競歩の岡田久美子選手や女子バレーボール「埼玉上尾メディックス」など3団体5人が名を連ねる。

　太田選手は、上平中学校、県立伊奈学園高校で陸上の中距離選手として活躍。大学在学中に競輪選手に転向し、2017年にプロデビュー。同年、女子自転車競技の日本代表に選出された。22、23年にはアジア選手権スプリントで2連覇、杭州アジア大会スプリントで銅メダルを獲得するなど国際大会での実績を重ね、昨年のパリ五輪に女子ケイリンとスプリントの2種目で出場。ケイリンでは日本選手最高位の9位と結果を残した。現在は自転車競技を引退し、競輪選手に専念している。

　太田選手は「デビュー時に目指していた東京（五輪）は駄目だったけれど、上尾の皆さんに長く応援してもらえて、パリに出ることができた」と感謝を口にした。

　畠山市長は「太田選手から以前いただいたサイン入りのドリンクボトルが、もったいなくて使えない」と笑いながら、返礼として市のマスコットキャラクター「アッピー」が自転車に乗る姿の缶バッジ（非売品）などアッピーグッズを手渡した。さらに「太田選手が成績をどんどん上げてくれることが上尾のPRになる」と激励した。

　太田選手は今後、写真共有アプリ「インスタグラム」や短文投稿サイト「X」など交流サイト（SNS）を通しても上尾のPRを発信していく。